Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

いくさしたく

中国製5G製品の調達

第5世代移動通信システム(以下5G)の実用研究が世界で進められている。純粋に技術としてみると、従来の4G(一般に厳密な4Gではない、3.9GのLTEなども含む)と比べると、以下のようなケタの違う高性能を発揮する。 ・超高速の通信速度 10Gbps(LTE…

ハードウェアに潜むマルウェア

世界の製造工場である中国では、様々なものが作られて世界へ送られている。ICT関連のハードウェアも例外ではない。たとえばHUAWAIのルーターやZTEのスマートフォンなどである。今回、米国の国防総省では軍関係施設でのこれらの機器を販売やサポ…

あれ、MDをすり抜ける無敵兵器は?

いくら大統領選挙があったからといって、このところのロシアの国威高揚の言動は目に余る。「西(ヨーロッパ)側支配の500年は終わった」というプーチン大統領の発言もあった。英国に逃れた元スパイたちを暗殺もしくは暗殺しようとしたしたとして、イギリス、…

世界初の新兵器

大統領選挙を控えて、ロシアのプーチン大統領が「無敵新兵器」の発表を行った。 ・マッハ20で飛ぶ弾道ミサイル ・原子力駆動の無人水中ドローン ・超長距離巡航ミサイル 等々 ほとんど「空想科学小説」の世界であるが、すでに韓国よりGDPが低い国になってし…

ロヒンギャの武装蜂起

シリアやイラクでのIS勢力掃討は続いていて、国と名乗っていたほとんどの拠点が攻略されるか包囲下にある。このままいけば、遠くない将来にIS勢力の拠点はなくなるだろう。ただ、拠点は無くなっても「勢力」が一掃されるわけではないのが、この手の戦争…

百発百中の火力演習

緊張が高まる半島情勢だが、かの国の指導者は核実験ではなく大規模砲撃演習でプレゼンスを示そうとした。浜辺にずらりと並んだ砲兵部隊が対岸の島に向けて一斉射撃をするというもの。自走砲やロケットランチャー、小型のジェット爆撃機と思しきものまで登場…

核ミサイル完成のあかつきには

ある軍事評論家が、「核・ミサイル問題」から中黒点が消えて「核ミサイル問題」になったと言っていた。個別に進んでいた開発が、核弾頭をミサイルに積んで一斉射撃できるようになったかもしれないとの意味である。移動式発射台や潜水艦からの発射実験も進ん…

蘇ったゴリアテ

ダラス銃撃事件の続報によれば、使用されたのは(またも)AR-15だった。アーマライトことM-16の民生用のものである。ゴルゴ13の愛銃といえばわかりやすいだろうか。以前、AR-15の使用弾丸は5.56mmNATO弾で、傷付け戦闘力を奪う目的のものだと書いた。しか…

近世城郭としての五稜郭

城砦といえば、中央に周囲を睥睨する天守閣なり尖塔なりがあるものを思い浮かべる人が多いと思う。以前取り上げた「真田丸」も大阪城の外郭で、大阪城には大天守があった。城の作り方も、戦国時代にずはいぶん変化した。その集大成が大阪城だったと言える。…

中国の危険な兆候

習近平政権が昨年の党大会で5年の任期延長を得たのは、仕方ないことだと思っていた。何しろ隣のロシアでは(いったんは首相になったものの)プーチン大統領が20年に及ぶ長期政権を続けている。カンボジアのフン・セン首相も在位30年、それに比べれば2期10…

中国に見習うべきこと

地上配備型のイージス・システム「イージス・アショア」関連で防衛省が予算増額を要求しているという。かの国のミサイルは確かに脅威なので、無理もないところだが予算措置ならもっとしてほしいことがあるのになぁ、と思っていたらさすがに国境を隣接した国…

自衛隊の海外恒久拠点

一部の憲法学者さんが聞いたら激怒しそうな話だが、自衛隊がジブチに設けている拠点を恒久化する話が持ち上がっている。東アフリカのソマリアの周辺海域は海賊のメッカのひとつで、日本船も被害を受けていた。ここはスエズ運河から紅海を通ってアラビア海に…

戦闘用ライフルの携行弾数

第二次世界大戦が始まったころ、主要国の歩兵用ライフルはボルトアクションで弾倉には5発入っていると言うのが標準だった。日本軍も「38式歩兵銃」というものを第一線兵士の装備で、38というのは1938年ではなく、明治38年制式というのだから驚く。元々銃器…

自衛隊の個人火器

個人用携帯火器は、陸海空3軍で共通であることが望ましい。もちろん、海兵隊に代表される水陸機動兵力も含めてだ。現在の軍隊では、ロケット砲や携帯ミサイル、アンチマテリアルライフル、グレネードランチャーのような特殊なものを除けば、分隊支援火器/…

見よ落下傘、空に降り

1月の三連休(成人の日からみ)は、いろいろな初仕事がある。祝賀イベントでもあるのだが、これもそのひとつ。習志野の第一空挺師団を中心とした、「離島奪還作戦」の訓練である。昨年防衛大臣に就任した岩屋大臣が「多次元統合防衛力強化」の訓示を行った…

北のハイテク防人

2度津軽海峡上空を、「ロケットマン」のミサイルが通過した。一度目は3つに分解して3,000m飛ばずに墜落したものの、2度目はグアムまで届くに十分な距離を飛んだ。グアムを包囲攻撃するとの宣言があったので、中国四国地方に迎撃システムPAC-3が配備されて…

大物スパイ・・・の極限

フリン元大統領補佐官が司法取引に応じ、どうも本当のことを言うらしい。ムラー特別検察官はどういう行動に出るのか、アメリカ社会は固唾を呑んで見守っている。国の内外に暴言をまき散らし、メディアや識者のヒンシュクを買いながらも、トランプ大統領は30…

新しい「おもちゃ」

通常兵器として最強の破壊力を持つと言われる「GBU-43/B」(大規模爆風爆弾)が、アフガニスタンで使用された。実戦で使われたのは初めてと思われる。実験映像がTVに流れたが、キノコ雲にも似たものを吹き上げている。ただ実際どのくらいの爆発規模(xxキ…

ABCD兵器のDって?

2日間の国際会議に行ってきた。場所は六本木ヒルズ、49階の六本木アカデミーである。このフロアには今回のようなイベントを行うスペースと、図書館がある。このフロアは六本木ヒルズの「知性」を示すフロアなのだ。会議のテーマは「サイバーセキュリティ」…

やってきた「想定事態」

2~3年前、集団的自衛権の議論の中でどういうシチュエーションで集団的自衛権行使が必要になるのか、激しい議論があった。政府側がいくつかのケースを示したが、野党や一部メディアはそのケースは非現実的だとか、個別自衛権の範囲で対処できるなどと反論…

半島危機の足音

国連安保理が、北朝鮮に対する新しい制裁決議を全会一致で採択したとの報道があった。これまでの制裁議論に難色を示していた、中国・ロシアも賛成したのである。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK05H0X_V00C17A8000000/ これまでの再三の制裁決議等に…

バルト海の緊張(3/終)

そのスウェーデン軍だが、なかなか面白い特徴を持った軍隊である。地理的に湿地帯が多く島嶼も多いことから、大規模な陸上戦力が移動することは難しい。極地に近いこともあって夏季以外には歩兵の徒歩の行軍も容易ではない。隣国ノルウェーの戦闘食(いわゆ…

バルト海の緊張(2)

冷戦期はソ連からの核攻撃や侵攻に備えて、スウェーデン政府は核シェルターを建設したり、国民にいざという時のマニュアルを配ったり、対応する訓練をしていた。それも1991年に冷戦の終結をもって終わっていたのだが、ロシアの現状を見て徴兵制を復活させた…

バルト海の緊張(1)

日本にいるとあまり感じないのだが、ヨーロッパではロシアは「ならず者国家」に近い印象を持たれている。NATO諸国はやむなくシリアへのロシア介入は黙認しているものの、クリミア併合やウクライナへの(事実上の)介入は容認できない姿勢だ。 本当はシリアへ…

新鋭戦闘艦は撃たれ弱い

6月に米海軍のイージス艦「フィッツジェラルド」がタンカーと日本近海で衝突、7名の犠牲者をだしたばかりというのに、今度はマラッカ海峡でイージス艦「ジョン・マケイン」(約8,300t)がリベリア船籍のタンカー「アルニックMC」(約30,000t)と衝突、10名…

核兵器の一撃を受けたなら

北朝鮮の「火星12号」が北海道上空を通過、約2,700km飛んで太平洋に落ちた。Jアラートがウルサイと怒った人や、防災行政無線が稼動しなかった町、「青森には地下なんかないぞ」とのツイートなど、それなりに騒動を巻き起こした。ミサイルに耐える頑丈な建物…

どちらの立場で参戦?

第二次欧州大戦が始まった頃の笑い話をひとつ。ある日、ポーランドをソ連と分割し英仏相手の西部戦線の想を練るヒトラーの下へ、副官が駆け込んでくる。「総統!イタリアが参戦しました。」という。ヒトラーは落ち着いたもので「2~3個師団送って、適当に…

ヘリ護衛艦+F-35B

以前現代の「八四艦隊」と紹介した、「いずも」「かが」など大型のヘリコプター搭載(全通型甲板)護衛艦に新鋭ステルス戦闘(攻撃?)機F-35の垂直離着陸型を搭載することが、公明党もしぶしぶ了解して公に進められることになった。 このような「戦力」が、…

現代の「八四艦隊」

よく架空戦記に出てくる「八八艦隊」というのは、日本海軍が第一次世界大戦後の海上戦力の要と考えて企画したものである。近代型の戦艦を8隻、巡洋戦艦を8隻揃えるというものであった。当時の戦艦・巡洋戦艦(合わせて主力艦ともいう)の主砲は35cm〜38cm…

ヘリ護衛艦「かが」就役

海上自衛隊最大のヘリコプター護衛艦「かが」が就役した。いずも型の2番艦で、これで海上自衛隊が保有する全通甲板式のヘリコプター護衛艦は4隻(2隻はやや小型のひゅうが型)となった。先代「加賀」は1942年6月、ミッドウェー海域で沈んだ。ほとんど意味…