Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

さよならサンクス

 ファミリーマートとユニーの統合が、いよいよ始まった。ユニー傘下のコンビニエンスストアである「サークルK」と「サンクス」はファミリーマートの看板に掛けかえられて行くことになる。これは2つの意味で感慨深いものを感じさせた。

 ひとつは、スーパーマーケットとコンビニエンスストアの位置関係である。7&i発足の時にも感じたのだが、上位にデパートがあって、次にスーパーマーケット、最後にコンビニエンスストア、という序列のようなものを無意識の内に持っていたから、下位の上位喰いのような印象を僕は持ったのだ。(コンビニさん、ゴメンなさい)

 だから中部地方では有力なスーパーであるユニーが、2つのコンビニチェーンを傘下に置くというのは素直に受け入れていた。それが昨今は、対等もしくはコンビニチェーンがスーパーを傘下に置くような勢いである。前回デパートを発明したフランス人兄弟やスーパーを最初に開いたアメリカ人のことを紹介した。その次に発生したのが7-11、AM7:00~PM11:00に開いている街角の店舗、コンビニエンスストアという業態である。

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 新しいものの方が優れているとは限らないが、よりその時代のニーズに合ったものが生まれてくるという原則から考えると、デパートはもちろんスーパーも衰退期に入ったのかもしれない。もうひとつは、全国ブランドの浸透がかなり進んできたなということ。ミニスーパーやコンビニについては、地方ブランドがかなり頑張っていた。北海道にはセイコーマート、中国にはポプラ、沖縄にはユニオンがある。
 
 かつては愛知県も大手コンビニの空白地帯だった。セブンイレブンなど他の大手が入ってからも、なかなか出店しなかった。多拠点ビジネスはある程度まとまって展開しないと、バックヤード含めて効率が悪い。試しに数店舗、と言うわけにはいかないのだ。バックヤード等準備に時間を取られたのかもしれないが、おそらくは地域性の壁があったのだろう。その地域に特有のもの(エビフライとは限らない)を用意しないと、客足を確保できない恐れがある。
 
 地域によっては、外来のものを嫌う傾向もある。それでも、ここにきて「地方の雄」だったユニー(&サークルK・サンクス)すら、全国ブランドに下ったのだ。インターネットの世界では、世界で一番優れた(ニーズにマッチした)ものだけが生き残る。それは極論としても、2~3の大手に収斂するのはあっという間だ。しかし、小売店舗というリアル世界ではそうはいかないと思っていた。それでも歩みは緩やかだとしても、その方向にこちらも進んでいるのだろう。そして次の時代は何が来るだろうかとも考えた。やはり、ネット通販だろうか?
 
<初出:2016.9>