Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ABCD兵器のDって?

 2日間の国際会議に行ってきた。場所は六本木ヒルズ、49階の六本木アカデミーである。このフロアには今回のようなイベントを行うスペースと、図書館がある。このフロアは六本木ヒルズの「知性」を示すフロアなのだ。会議のテーマは「サイバーセキュリティ」。

 
 
 ウクライナの大規模停電、バングラデッシュ中央銀行からの不正送金など、重要インフラへの脅威が高まっている。いくつか、印象的な話があった。インターポールの人は、世界で頻発する「個人情報を盗られました」事件について日本の報道の仕方に疑問を投げかけた。日本では「A社からxx件の個人情報が流出した」と報じられ、A社が悪者扱いである。
 
 英米の例では「A社がHackされ、個人情報がxx件盗まれた(stolen)」となる。A社は被害者として扱われる。もちろん企業の努力は必要だが、悪いのは盗んだ方であることが日本の報道では軽視されているという。

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 もうひとつ、この会議の議長を務める内閣府の人が「ABCD兵器」という言葉を使っていた。この人、頭文字をつなげて新しい言葉を作る名人である。どういう意味かというと、すでにサイバー攻撃は国家安全保障のレベルまで来ていて以下のものと並べて論ずるべきということ。
 
 A: Atomic 核兵器
 B: Bio 生物兵器
 C: Chemical 化学兵器
 D: Digital サイバー兵器
 
 続いて、国連安全保障理事会の人がCTED(Counter-Terrorism Committee Executive Directorate)活動の紹介をした。国連安保理サイバー攻撃国際紛争のタネだと認め、ルール整備を急いでいるということらしい。知らないうちに企業も個人も、来るべき戦争の最前線に立たされているようです。
 
<初出:2016.11>