Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ヘリ護衛艦+F-35B

 以前現代の「八四艦隊」と紹介した、「いずも」「かが」など大型のヘリコプター搭載(全通型甲板)護衛艦に新鋭ステルス戦闘(攻撃?)機F-35の垂直離着陸型を搭載することが、公明党もしぶしぶ了解して公に進められることになった。
 
 このような「戦力」が、憲法が保持を禁じているとされる「攻撃型空母」にあたるかどうか、メディアもいろいろ書きたてている。そもそも戦力を持ってはいけないとするメディアの中には、どうしても容認できないとの意見を述べるところもあるだろう。
 
 
 これに対して与党の弁明は、「常時戦闘機を搭載するわけではなく、通常はヘリコプター搭載護衛艦。必要に迫られたときに戦闘機を離発着させることができるだけだから、攻撃用空母ではない」というもの。この話で、当面の運用は陸上基地や米軍の空母から来たF-35に補給をしたり、緊急時の収容をしたりすることだと分かった。

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 もちろんその為にも、F-35を艦上で運用する訓練は必要である。全通甲板があるといっても、大型機やSTOL/VTOL機能のない航空機の運用はできないから、まず対象機種をF-35Bに絞ったということだろう。もちろん米軍のヘリコプターも運用可能だし、ひょっとしたらオスプレイも降りられるかもしれない。
 
 この「空母」運用、第二次世界大戦中の装甲空母大鳳」の構想を思い出させる。ミッドウェイで旧式ながら主力だった四空母を失った日本海軍は、新鋭の装甲空母大鳳」を前線に出し、艦載機の消耗分を後方の空母や陸上基地から送ることを考えていた。防御力に優れているがその(装甲に重量を費やした)分搭載機が少ない「大鳳」の特徴を生かす運用計画だった。
 
 空母と呼ぼうがヘリ護衛艦と呼ぼうが、所詮は航空機の洋上プラットフォーム。米軍では強襲揚陸艦WASP」に航空機を乗せて、「ライトニング空母」として運用している例もある。自前の艦載機が無くても、作戦行動の一環を担うことはできるわけだ。4隻の大型ヘリコプター搭載護衛艦の運用で、日米の海上勢力は強化されることは間違いない。じゃあ、その仮想敵って・・・?
 
<初出:2018.12>