業界団体の小さな会合で、太平洋を渡ってきたアメリカからの来客と会った。米国というかグローバル企業のセキュリティの専門家で、いろいろ関係機関を廻っているようだ。この業界団体では、12:00~13:30のランチタイムでスケジュールを組んでくれた。
がっしりとした体格で、きれいに剃り上げた禿頭。J・C・ポロックの小説に「冷蔵庫のような体」の下士官がでてくるが、そんな感じ。アーミテージ議員を少し縮小したような人だ。握手をした手は分厚くて、ちょっと柔らかい。
ランチタイムなので、団体事務局が気を利かせて(張り込んで?)、今半のお弁当を参加者人数分手配してくれていた。お値段はいくらかわからないが、それなり以上に豪華なものだ。3段重ねのお重で、名前は「舞紅葉」というらしい。同封されていたチラシによると、
右下:黒毛和牛すき焼き、奥久慈温泉卵
右上:サンマ甘露煮、むかごしんじょう、カレイ西京焼き、ハモ紅葉上げ
左:黒毛和牛モノステーキ、栗おこわ
というわけで、日本の秋の豪勢を詰め込んだようなものだ。問題は、僕の英語能力のなさ。アメリカ人にいろいろ言われると、まともに箸を動かせない。ただでさえ英語で討論することなど難しいのに、空腹で脳内エネルギーが枯渇している状況で真っ当な議論などできようはずもない。ではエネルギーを補充しようとしても、箸がうごかないではどうしようもない。
情けないとは思いつつもこの会話、できるだけ頑張りました。残念ながら、今半のお弁当、味が分からなかったので、もう一度食べたいです。
<初出:2017.11>