Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

いくさしたく

海の王者を追い落とすもの

20世紀前半、海の王者と言えば「主力艦」こと、戦艦と巡洋戦艦だった。単なる戦術兵器ではなく戦略的・政治的兵器として君臨し、大国はその国の資金・人材・技術の粋を集めてその開発・運用にあたった。「主力艦」がその地位の絶頂にあったのは、実質的に日…

南太平洋海戦

先日「鉄底海峡」で帝国海軍戦艦「比叡」を発見した故ポール・アレン氏のチームだが、やっぱり探していた「大物」は米軍艦艇だった。今度は1942年10月、サンタクルーズ沖に沈んだ空母「ホーネット」を5,000mの海底で発見したとの報道があった。 https://nla…

機動力こそ戦力(帝国海軍)

1942年、アイアンボトム・サウンド(鉄底海峡)と呼ばれたソロモン諸島のガダルカナル沖では日米両海軍の死闘が繰り広げられた。1942年後半は両軍の戦力が拮抗していた唯一の時期で、それ以前では米国海軍が劣勢、それ以後では日本海軍が劣勢で一方的な戦闘…

機動力こそ戦力(ドレッドノート級)

太平洋戦争開戦直後、日本海軍の新鋭機「零式艦上戦闘機」は、フィリピン・インドネシア・インドシナ半島一帯を暴れまわった。日中戦争で経験を積んだベテラン操縦士も多かったし、速度も武装もこれまでの戦闘機とは一線を画すものだったから、事実上無敵と…

米軍のRe-Transformation

昨年後半から顕著になった米中対立、単なる貿易摩擦ではなく年末には地球の覇権を争う事実上の戦争状態に突入した。ファーウェイ副会長のカナダでの拘束、企業秘密を持ち出そうとした中国人技術者の逮捕、「APT10」と呼ばれる中国のハッカー集団の告発・・・と…

アフガン・シリアから退いた意味

北朝鮮のことを最近忘れがちである。米中経済摩擦はほぼ戦争状態といえるし、サウジアラビアもロシアも怪しい動きをしているし。アフガニスタンやシリアの紛争も、終息しそうもない。北朝鮮のことはそのスポークスマンである韓国の文大統領の大活躍があって…

Low Intensity Conflict時代の終わり?

アメリカがベトナムから撤退、ソ連がアフガニスタンで痛手を受け崩壊、「独裁者」サダム・フセインやカダフィ大佐もいなくなった。20世紀の終盤から、国と国が戦う戦争はほぼなくなり「Low Intensity Conflict」の時代になったというのが、歴史的な見方であ…

静粛性は戦略的戦力

海洋進出を止めない中国海軍は、南シナ海に人工島を建設し大型機を運用できる飛行場まで整備している。この洋上基地を拠点に、「遼寧」などの空母戦闘団を配して南シナ海の領有を確固たるものにしようとしている。覇権国家の中国が、15世紀以来失ってきた技…

危険な火遊び

トランプ先生は「一日に16回ウソをつく」と言った人がいる。別の人は「年中選挙キャンペーンをやっているようなものだ、特に何かが変わるわけではない」と達観している。世界中に貿易戦争を仕掛けたり、国内でも分断を起こすなどとんでもない大統領なのに、…

倉庫火災とミッドウェイ海戦

埼玉県三芳町にあるアスクルの物流倉庫から火が出て4日になるが、鎮火のメドは立っていないと言う。事務用品・消耗品などがインターネットで注文したら直ぐに届くオフィスの「Just-in Time」に慣れきってしまった我々は、バックヤードでこれらの企業がどう…

タスク・フォース

米国海軍は真珠湾でほとんどの主力艦を行動不能にされ、フィリピンにいた巡洋艦隊も壊滅してしまった。米軍は、西海岸や大西洋から補充した艦艇で、当座をしのぐしかなかった。手もとにあるのは、数隻の空母と巡洋艦だけである。 日本軍は、フィリピン、イン…

空母機動部隊

漸減邀撃作戦には、根本的な欠陥があった。まず、仮想敵国(この場合米国か米英)が、日本近海まで主力艦隊を派遣してくれなくてはいけない。主力艦はハワイやフィリピンに居て、日本を遠巻きにしておく。日本の本国へ石油などを輸送する船を全部沈めてしま…

漸減要撃作戦

軍縮条約で、米国・英国の5に対し主力艦の比率を3に抑えられた日本海軍は、漸減邀撃作戦というものを考えた。軍人は前の大戦のドクトリンで、次の大戦を戦おうとする、と前に述べた。日本海軍は、日本海海戦(1905年)の戦訓で「日本近海での米国主力艦隊…

AV-8BハリアーⅡ

沖縄本島東の太平洋で、海兵隊のハリアー攻撃機が墜落した。ホーカー・シドレー・ハリアー戦闘機の初飛行は1966年であるから、ちょうど半世紀前。艦載型(シー・ハリアー)も開発され、1982年のフォークランド紛争では、「ハリアー英国を救う」と活躍をたた…

適正な防衛費のGDP比率

ビジネスマンであることを誇りにしているトランプ大統領は、やはり成果や目標を数字で示すことを重視している。NATO(北大西洋条約機構)の首脳会合に出席した彼は、米国以外の参加国が果たすべき義務として「防衛費のGDP2%以上」を早期に達成するよう求め…

凶器としての自動車

レンタカーとしてトラックを借りる。このありふれた行為が、テロにつながるまでになった。イスラム国は「身近にあるもので異教徒を殺せ」という指示を出しているというが、組織的・資金的にもこれまでのような余裕が無くなってきたのかもしれない。 そうはい…

鉄のくじら

呉市、大和ミュージアムのすぐ前に「鉄のくじら館」という博物館がある。海上自衛隊を退役した潜水艦「あきしお」が、そのまま飾られている。まさに陸に上がった鉄鯨である。1986年に就役した2,200トン級ゆうしお型7番艦で、2004年まで実戦配備されていた。…

デジタル・フォレンジック

2015年のソニーピクチャーエンターティンメントにサイバー攻撃があった件、米国政府が極めて迅速に「北朝鮮の犯行だ」と名指しした。それがあまりにも早かったし、そもそもかの国の首領を揶揄するような映画を作るほうにも非があり、ひょっとすると米国政府…

トップヘビーにご用心

このところ立て続けに新戦力、新技術を発表しているロシア軍、というかプーチン最高司令官。ミサイルディフェンスをすり抜ける高速弾道弾や、超長距離巡航ミサイルなど、本当に出てきたら一気に軍事大国だよねとは思うが、どう考えてもまだサイエンス・フィ…

アトリビュートという芸

このところやたらと「ロシアの無法ぶり」報道が多い。中には元スパイを暗殺した/しようとしたというものも、IMF条約に違反して軍縮をしていないというものもあるが、特に目を引くのがサイバー攻撃からみのもの。世界ドーピング機関(WADA)を狙った攻撃を仕…

次は通貨戦争

トルコリラの下落が止まらない。エルドアン大統領は「リラは大丈夫だ、国民は死蔵している米ドルなどを銀行でリラに替えるように」演説したと言うが、これ自体が通貨危機をあおることになるだろう。しばらく前から、エルドアン大統領の強権的な政治手法、疑…

非常事態だった国

トルコのエルドアン大統領という人は、かなり強権的な政治をしているようだ。さきごろの大統領選挙も勝つには勝ったが不正をしたのではないかとの批判は多い。まあご本人はそんな批判などどこ吹く風と聞き流しているだろう。確かに根深い民族問題を抱えてい…

銃器社会アメリカ

個人的にはハワイを除いて旅行したことのない国、アメリカ。そもそも好きではない上に、トランプ先生がめちゃくちゃなことをしてくれるものだから、縁はないものと思っている。しかし、仕事となると話は別。今年になってもう2度、ワシントンDCに出かけて…

フィリピン軍の新装備

しばらくニュースの無かったフィリピンのドゥテルテ大統領だが、麻薬やテロと国内で戦い、中国の海洋進出には警戒の目を向ける姿勢は変わっていないようだ。国家予算が約3.7兆ペソ(約7.8兆円)のフィリピンで、新規の軍事装備に3,000億ペソ(約6,200億円)…

戦後日本、幼年期の終わり

今年のG7「シャルルボア・サミット」も終了した。トランプ先生は早々に米朝首脳会談に向かったようだが、残された6人の政治指導者はどんな心持ちだったのだろうか。国際政治として、世界をリードしてきた米国の凋落は著しい。これからの世界はどうなるの…

エボラの脅威、トランプの脅威

史上初めての米朝首脳会談、本当に行われるかは「Only God knows」であるが、トランプ先生の「これまでの政権ができなかったことをやる」姿勢はますますエスカレートしている。ビジネス界ではよくある差別化戦略なのだが、国際政治の中心として米国政府がや…

サウジアラビアの危機

トルコのサウジアラビア総領事館で、ジャーナリストであるカショギ氏が行方不明になって、2ヵ月になろうとしている。今では彼がサウジアラビアの意図で殺害されたことは確実とみられているが、生きたまま切断したとか、溶かして排水溝に流したとかいう猟奇…

これだって「生物兵器」

普通「生物兵器」(Bio)と言えば、天然痘ウィルスのような病原菌をバラ撒くイメージが強い。パンデミックを起こさせることも可能なので、大量破壊兵器として核兵器(Atomic)、化学兵器(Chemical)と並んでABC兵器とも言われる。しかし病原菌のような小…

山岳国家の主力輸出品

そういえばネパールでも3年ほど前に大地震があって、多くの人たちが犠牲になった。ヒマラヤ登山などでは日本でもニュースが流れる国ではあるが、それ以外にあまり話題になる国ではない。ほとんどが山岳地帯で農耕には適さず、特に有力な鉱山も工業地帯もな…

カラシニコフ社の新兵器

最近、本当に使えるかどうか分からない兵器や軍事技術の発表が相次いでいるロシア。単純に国威高揚だけというわけではなく、実利も狙ったものも交じっているようだ。今年「Cebit」でも「Made in Russia」を掲げたブースがあったけれど、軍事関連技術のビジネ…