Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

中国の危険な兆候

 習近平政権が昨年の党大会で5年の任期延長を得たのは、仕方ないことだと思っていた。何しろ隣のロシアでは(いったんは首相になったものの)プーチン大統領が20年に及ぶ長期政権を続けている。カンボジアのフン・セン首相も在位30年、それに比べれば2期10年なら可愛いものだろう。

 
 しかし今年になって、事実上の永年政権になるとの発表があった。これでは、四千年の歴史にある「王朝」ではないかとさえ思えてくる。こうなると個人崇拝を押し付けてくるだろうなと思ったら、案の定「習近平村」というのがあるらしい。
 
 
 歴史的に、中国の王朝は「覇権主義」である。あれだけ広大で多くの民族から成っていると、他の統治の仕方はないのかもしれない。それが今の僕にとって無視できない「危険な兆候」なのは、2030年には米国を抜くGDPと軍事力を持つと予測される国だから。
 
 かつてのソ連も政権内部が不透明な、困った国だった。一方自由主義/資本主義の盟主である米国は、いろいろ秘密はあるにせよ透明性の高い政権運営をしていた。両国を中心にした冷戦構造は、ソ連の崩壊という形で終わりをつげ、世界経済は拡大した。

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 今もトランプ先生の気まぐれには悩まされるが、どんなに長引いても8年しか在位できない。この成長/安定を脅かすものがあるとすれば、かの「ロケットマン」ごときではなく、中国の覇権主義だろう。中国も今までは(本性を隠して)国際社会の一員たるべく活動してきた。しかし今後はどうなるかわからないと思わせる、このところの動きである。
 
 地政学的に中国の影響を無視できない日本としては、本気で国防の事を考えなくてはいけない時期を迎えたようです。「尖閣あげますよ、沖縄はもともと中国から盗ったものでしょ」というような考えでは、日本の将来が危ぶまれますね。
 
<初出:2018.3>