Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

極東の多国籍海軍

 先ごろ、英国が極東に海軍を派遣するという記事があった。かつての大英帝国日本海軍の師匠でもあり、七つの海を支配した覇者である。近代的な巡洋戦艦「金剛」(のちに高速戦艦に改装)は、英国で建造されている。シンガポール在泊の高速戦艦「プリンスオフウェールズ」と巡洋戦艦「レパルス」は、日本軍の南方侵攻にとっての脅威だったが、太平洋戦争の開戦劈頭航空機によって沈めることができ、日本の軍部は胸をなでおろしている。

 
 衰えたとはいえ、英国海軍の底力は侮れない。フォークランド紛争では、犠牲は払いながらもアルゼンチン海空軍を圧倒した。そんな英国海軍が、北朝鮮の「瀬取り」を監視する目的で艦艇を派遣し、日米と共同するというのは有難い話だ。これに加えて、フランス海軍も同様の目的で艦艇を出していくれるという報道があった。
 
 
 フランス海軍というのは、日本人には馴染みがないかもしれないが核兵器保有国でもあり、航空母艦も持っている。第二次世界大戦では活躍することなくドイツに降伏したため知名度は低いが、それなりの実力を持っていた。それは今も変わらない。

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 日仏の2+2の会合で派遣が決まったということだが、特に権益を持たない極東にコストをかけて軍艦を出すというのには意味がある。マクロン大統領は米国離れも考えていて、「欧州軍創設」を主張している。その主導権をイギリスと争っているわけだ。
 
 これは単に北朝鮮対応ではなく、中国包囲網の一環をフランスも担うというメッセージ(もしくは意図)だと思う。それにしてもこのような記事が、中央日報など韓国メディアが伝えても日本の主要メディアは伝えていない。何か意図があるのでしょうか?それともまさか日本政府の制約があるとか・・・?
 
<初出:2019.1>