海上自衛隊最大のヘリコプター護衛艦「かが」が就役した。いずも型の2番艦で、これで海上自衛隊が保有する全通甲板式のヘリコプター護衛艦は4隻(2隻はやや小型のひゅうが型)となった。先代「加賀」は1942年6月、ミッドウェー海域で沈んだ。ほとんど意味はないのだが、2隻の仕様を比較してみた。
◆「かが」
基準排水量 19,500トン
全長 248.0m
全幅 38.0m
出力 112,000馬力
最大速力 30ノット/時
乗員 520名
搭載機 SH-60Kほかヘリコプター14機
兵装 20mmCIWS(対空ガトリング砲)×2、
SeaRAM近距離対空ミサイルシステム×2
◇「加賀」
25mm連装機銃×11
先代「加賀」は、いわゆる八八艦隊計画の一艦として僚艦「土佐」と共に建造が始まったが、ワシントン条約で保有が認められず廃艦になるところだった。同様に保有が認められなかった巡洋戦艦「赤城」「天城」は実験的な航空母艦に改造されることで生き残るはずだった。しかし関東大震災で被害を受けた「天城」が廃艦になり、その代艦として「加賀」が航空母艦に改装されることになったのである。
日本海軍は「赤城」「加賀」には何度か改装を施した。三段式の飛行甲板を持たせたこともあったし、煙突の形状も変えた。海の上に浮かぶ自走式滑走路としての機能テストをしていたのである。中型高速空母「蒼龍」「飛龍」が完成してからも、搭載機の多い「赤城」「加賀」は艦隊の主力だった。
先代「加賀」が竣工してから、おおよそ90年が経った。軍艦に求められることも、変わった部分もあれば変わらなかった部分もある。「かが」も、ねがわくば災害派遣や救難活動だけで、生涯を終えてほしいと思う。
<初出:2017.3>