一部の憲法学者さんが聞いたら激怒しそうな話だが、自衛隊がジブチに設けている拠点を恒久化する話が持ち上がっている。東アフリカのソマリアの周辺海域は海賊のメッカのひとつで、日本船も被害を受けていた。ここはスエズ運河から紅海を通ってアラビア海に抜ける太いシーレーンが、細い海域を通るところだ。もうひとつ同じ様に航路が込み合うところであるマラッカ海峡同様、海賊の「狩場」になっていた。
ソマリアやその周辺国は世界的にも貧しい国で国際的に競争力のある産業がなく、失業者も多い。海の男は少なくないのでAKー47やRPG-7などを購入して、古い漁船に乗り出撃すれば無防備な独航船はごろごろ見つかる。RPG-7はもちろん、AK-47でさえ民間船舶には脅威なのに、日本のモデルガンの1/10くらいの価格で手に入るという。さして元手はかからずリターンの大きな商売で、海賊すればりっぱな家が建つという次第。子供たちは当然「海賊業」にあこがれるわけだ。
https://www.sankei.com/politics/news/181014/plt1810140020-n1.html
この記事にあるように、「中国の一帯一路に対抗したクサビ」というほどの戦力では(今は)存在しない。数だけは結構揃ってきている中国の艦隊が押し寄せたら、防ぎようが無いのは自明である。どのみち日本と中国が1対1で戦えば、勝負は簡単についてしまうだろう。そうしないための多国間の枠組みのはずである。従ってここは他国とのネットワークを作る意味でのジブチ拠点である。
産経新聞さんの主張には見るべきところもあるのですが、ちょっと世論を激するよな表現をされるのが悩みですね。
<初出:2018.10>