Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

いくさしたく

カラシニコフ社の新兵器

最近、本当に使えるかどうか分からない兵器や軍事技術の発表が相次いでいるロシア。単純に国威高揚だけというわけではなく、実利も狙ったものも交じっているようだ。今年「Cebit」でも「Made in Russia」を掲げたブースがあったけれど、軍事関連技術のビジネ…

カメレオン・アーミー

サッカーのワールドカップでは、ロシアチームの健闘もあったし開催国としての振る舞いも期待以上だったこともあってロシアという国の評価は少し高まったようだ。とはいえ国際情勢の中ではロシアは相変わらず危険な存在である。トランプ・プーチン会談などは…

北大西洋の脅威

クリミア侵攻やシリア紛争で存在感を示したプーチン・ロシア軍、次の目標はバルト三国とも言われている。エストニア・ラトビア・リトアニアの先にはロシアの飛び地があることは、あまり知られていない。特段重要都市や港湾があるようには見えないが、スラブ…

PKOでも復興支援でも

イラク特別措置法に基づく自衛隊の復興支援活動について、当時の日報の一部が公開された。仕掛け爆弾で車両に軽微な被害があったとか、PTSDと思われる症状を訴える隊員のことが明らかになってきた。 2004年当時のイラクは液状化していて、主義主張を持っ…

朝鮮戦争は終結するか?

ノーベル賞がちらついたのか、歴史的な米朝首脳会談は僕たちから見れば拙速の極みだった。単なる政治ショーで終わり、具体的な曙光が見えたとは言いづらい。それでも何かが動き出すきっかけになることは、間違いはない。トランプ先生は「朝鮮戦争の終結」を…

皇帝のいない6月

史上初めての米韓首脳会談が来月12日、シンガポールで開催されることになった。金委員長におかせられましては、せっかくですからお兄さんが亡くなったクアラルンプールにでも寄られればよろしいかと思いますが、無理は申しますまい。http://www.bbc.com/japa…

多国籍軍集結中

劇的な南北首脳会談以降、世界には安堵や緊張緩和歓迎の声が聞かれるようになったが、もちろん安心できるわけではない。往々にして緩んだすきに何かが起こるというのは、意図してかどうかは別にして歴史にはよくあったことだ。核放棄という結果が見えるまで…

偽りの微笑み外交

平昌オリンピックのはずが、平壌オリンピックになってしまった今大会。日本選手の活躍には敬意を表するものの、国際的にも珍しいホットスポットでの開催だけに気は抜けない。(文大統領だけは抜けているかもしれないが・・・) 国としての参加が許されなかった…

相次ぐ米軍ヘリ事故が語るもの

沖縄を中心に、米軍のヘリコプターの不時着事故が相次いでいる。普天間飛行場隣接の小学校に、窓枠が落ちてきた事件もあった。「それで何人死んだんだ」との暴言は論外としても、米軍もタガが緩んだかなという印象を多くの人が持つだろう。昨年も、ヘリでは…

もうひとつの経済制裁

国連安全保障理事会も、大変忙しくなった。最大級の経済制裁として、海産物・石炭・鉄鉱石等の貿易禁止を打ち出してまもなく次の声明を出さざるを得なくなった。立て続けに声明の決議をすることで、前の制裁決議の信用度というか威力が損なわれるとの意見も…

弱肉強食の世界へようこそ

防衛省の来年度概算要求が出てきた。メディアは「過去最高5.25兆円」とこぞって伝えている。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201708/CK2017082302000125.html 直接的には膨らみ続ける北朝鮮への脅威に対抗するため、ミサイル防衛の費用が…

再び核の冷戦時代へ

中距離核戦力(INF)廃棄条約が、とうとう「廃棄」された。米ソ冷戦を終わらせるきっかけとなった象徴的な条約で、当時のレーガン・ゴルバチョフ両首脳が条約にサインした後笑顔で握手するシーンは今も時々ニュース映像に使われている。 ただ当時は画期的で…

共産主義の脅威としての宗教

朝鮮半島は、特に日本が国力をつけてきた近代以降、日中二国の間にあって苛酷な運命を余儀なくされている。第二次世界大戦後も、日本+米国と中国の狭間にあったのだからその状況は現在も続いている。現在の文政権でも、大きく変わりつつある日米中三国の位…

中国版「マーシャルプラン」

米軍の撤退が始まったシリア、かといって内戦状態が収まるわけではない。掃討されたはずのイスラム国勢力(IS)もそれなりに残っているし、アサド政権に批判的(というより敵対的)な市民も多い。欧州諸国にとっては、早く収まってくれないと難民問題で自分…

IMF全廃条約のマルチ化

トランプ先生が、レーガン・ゴルバチョフ間で結ばれた伝説のデタント「中距離核戦力(INF)全廃条約」からの離脱を表明して約半月が経った。表向きはロシアが約束を守っていないという理由だが、これが2国間条約であることから第三国が現われ顕著な脅威とな…

空母戦闘団の実戦能力

いろいろな意味で米中対立は深まっている。トランプ先生の中国に対する「怒り」はもっぱら貿易赤字に対してなのだろうが、これに乗じて伸長著しい中国の経済や国際政治力、軍事力を封じ込めてしまおうとする勢力が動いているようにも思う。 中でも軍事力、中…

役に立たない兵器

中国の海洋進出圧力は止まらない。先ごろ初の国産空母が試験航海に出て、就役も近いと言われている。まあ、みたところウクライナから購入し改装した「遼寧」とよく似ていて、本当に役に立つのか僕は疑問に思っている。20世紀の前半、海の王者は戦艦だった。…

陸棲国家の海洋進出

軍事の研究者の中で定説になっているのが、海洋国家と陸棲国家は両立しないということ。第二次欧州大戦を扱った戦略級ゲームの代表格「Third Reich」は僕の大好きなシミュレーションゲームだが、これをやってみるとその言葉が実感できる。大戦初期、フランス…

寿命の延びる派生兵器

イスラエル建国直後、この国は非常に危ない状況に置かれていた。まさにアラブの大海に浮かぶ小島のようなもので、土地を奪われたパレスチナの人たちの怨念は津波のように押し寄せていたからだ。現にその後、4次にわたる「中東戦争」が起き、多くに勝利した…

長引くシリア紛争(後編)

ポリスマンを辞めたといいながら、オバマ政権のアメリカはシリアに介入した。その目的がぼくらにはよくわかっていない。一つには、アメリカのテロを仕掛けると公言するIS(イスラム国)の打破、もう一つにはアサド政権が自国民を殺しまくっていることへの…

長引くシリア紛争(前編)

テルアビブ滞在中も、ニュースは東グータ地区の件がトップだった。イスラエルはもちろん欧州にとって、シリア情勢は足元についた火である。その注目がこの東グータという日本人には馴染みのないエリアに、今集まっている。もともと2012年の「アラブの春」で…

軍事強国スイスの一端

国連機関も多く位置し、永世中立国として知られる国スイス。物価は高いが、夏季を中心に多くの観光客がやってくるリゾートの国でもある。一年で一番寒いころ、世界の経済をリードする人たちが集う「ダボス会議」の舞台もここにある。風光明媚な山々、ゆった…

七夕の砲艦外交

香港返還から20周年になる今年、習主席が初めて香港にやってきた。当面1国2制度は守るのだが、独立などもってのほかと強面だったという。3年前の「雨傘運動」以来、なんとなく足が向かなくなった香港だが、物価の高騰・人口流入・格差拡大などで市民の不…

ロシアの極東戦略

ワールドカップ大会を無事済ませ、シリアでの存在感を十分示しながら、国内では年金制度改定に対する市民の怒りを買って反対デモに悩まされているプーチン政権。今月は、ロシア版サミットとも言える「東方経済フォーラム」を主宰し、中国や日本の元首を招い…

選挙Yearへの脅威

プーチン大統領自らが関与して大統領選挙中の米国民主党本部へのサイバー攻撃をしたとの疑惑を、米国情報部門が明らかにしている。当初は「でっちあげ」と言っていたトランプ次期大統領も、報告だけは受ける姿勢に転じたらしい。もちろんロシア政府は「魔女…

ハリケーンとの闘い

アメリカ中西部で脅威となる自然災害といえば、地震ではなくハリケーンである。今年もデカいのがやってきた。ハリケーン「ハービー」といい、規模としては2005年に2,000人近い犠牲者を出した「カトリーナ」よりも大きい。年々、脅威が増しているとする気象関…

仏教徒も例外ではなく

先日「嘆きの壁」を訪問して、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の聖地が重なり合っていることを実感した。一神教がこれだけ接していたら紛争も起きるだろうと思った僕だが、日本人として仏教はこのようなせめぎあう宗教とは一線を画していると思っていた。…

旧KGBの長い腕

このところ、イギリス在住のロシア人やその家族に変死が相次いでいる。大富豪だったり、服役出所後の亡命者だったり、今度はアエロフロートの元幹部だった人も犠牲になった。2006年には元ロシア連邦保安庁幹部だったリトビネンコ氏が放射性毒物で暗殺された…

人海戦術の国で・・・

兵力というのは、過去においては兵士の数で計測できた。「戦いとは数だ」というのは真実であった。ギリシア・ローマ戦争やアレキサンダー大王の東征などは、戦術に優れたとはいえ決戦場にどれだけの兵力をあつめることが出来るかというのがテーマになった。…

米国政府の人質作戦

中国IT大手企業ファーウェイを巡る動きが、慌ただしくなっている。先日中国の専門家の意見を聞いた時、彼は「中国では外国人が思うほどオリジナルのイノベーションは起きていない。BATJなどもGAFAの真似。そんな中ファーウェイは立派な会社」と同社のよう…