Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

銃器社会アメリカ

 個人的にはハワイを除いて旅行したことのない国、アメリカ。そもそも好きではない上に、トランプ先生がめちゃくちゃなことをしてくれるものだから、縁はないものと思っている。しかし、仕事となると話は別。今年になってもう2度、ワシントンDCに出かけている。今年中に、もう2~3度の渡航があってもおかしくはないだろう。

 
 そのDCに隣接するメリーランド州アナポリスで、「キャピタル・ガジェット」という新聞社に個人的恨みを抱いた男が襲撃を掛け、5名の犠牲者が出た。何年か前パリのメディア「シャルリー・エブド」襲撃を一瞬思い起こさせたが、今度は組織的テロではなかった。

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 学校等での銃撃事件も多発しているし、テロ組織に拠らず個人でも瞬く間に5人を殺すことのできる武器があるというのが、銃器社会アメリカの特徴だ。猟銃などと違い、アサルトライフルのような火力の強い武器は実質的に人(最強の生物)をターゲットにするものだ。相手が自動火器のような火力を持ち出すから、防御用にも自動火器クラスが必要になる。ある調査では、世界中で民間にある銃器の46%がアメリカ合衆国にあるという。
 
 
 殺傷能力の高い銃器を規制する動きは何度も起きるのだが、最強のロビー団体全米ライフル協会」らの反対でついえている。いかにもレミントンなどの銃器産業がこのようなロビー活動に大金を投じているようにも見えるが、実はレミントンは今年初めに倒産するくらい、市場は冷え込んでいる。
 
 結局、「市民には銃が必要だ」という意識がまだ根強くあるのが、規制を難しくしている。産業界の暗躍というのは、誰かが付けた「カバー」だと思う。新規の銃器市場が冷え込んできても、社会に残った銃器は数知れない。慣れてきた訪問先とは言っても、やはり気を付けないといけないなと思わせた今回の事件報道でした。
 
<初出:2018.7>