Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

アフガン・シリアから退いた意味

 北朝鮮のことを最近忘れがちである。米中経済摩擦はほぼ戦争状態といえるし、サウジアラビアもロシアも怪しい動きをしているし。アフガニスタンやシリアの紛争も、終息しそうもない。北朝鮮のことはそのスポークスマンである韓国の文大統領の大活躍があって、国際社会はその脅威を少なくとも表立っては忘れている。

 
 ただこのところかの国の指導者が「制裁解除」がこないことにいら立ちを見せて、核廃棄の合意を破棄するぞと脅し始めた。まだ相当の時間はあると思うのだが、下記の記事にあるように再び北朝鮮が軍事行動を起こす(もしくは引き寄せる)可能性が出てきている。朝鮮半島の緊張が高まっていたころ、米軍の事故が特にヘリコプター部隊に相次いだ。かつて自衛隊のヘリ部隊の司令官だった人が「米軍は(朝鮮半島での軍事行動に)本気だ」と、かなり踏み込んだコメントをしておられた。事故がおこるのは緩んでいるからではない、真剣に軍事行動発令に向けた訓練をしているからだとおっしゃる。

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 そういう意味では、この記事に取り上げられているF/A-18と空中給油機の事故は、難しい夜間空中給油訓練の最中に起きている。再び米軍が本気になった証拠ともいえるだろう。かといってさしもの米軍も、陸上戦力を世界各地に展開できるほど十分ではない。かりに北朝鮮と事を構えるなら、少なくとも韓国の防備は強化しなくてはいけない。恐らくはミサイル攻撃、空爆空挺部隊北朝鮮のキーポイント(例:指導者そのもの)を除くことで終わらせる作戦だろうが、北朝鮮の前線兵力が韓国に乱入することは押しとどめる必要がありその兵力をどこからか持ってくる必要がある。それが、シリアやアフガニスタンからの撤兵や戦力削減のような気がする。
 
 昨年はそろそろソウルへ遊びに行けるかなと思っていたのだが、まだ無理なようだ。物価も安いししばらく暮らすにはいい街なのですが、軍事リスクがあるようではちょっと訪れるわけにはいきませんね。残念です。
 
<初出:2019.1>