Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

南太平洋海戦

 先日「鉄底海峡」で帝国海軍戦艦「比叡」を発見した故ポール・アレン氏のチームだが、やっぱり探していた「大物」は米軍艦艇だった。今度は1942年10月、サンタクルーズ沖に沈んだ空母「ホーネット」を5,000mの海底で発見したとの報道があった。

 
 
 日米戦を覚悟して量産を開始した空母「エセックス」級が就役するのは1943年、それまでは米海軍の最新鋭空母だったのが「ホーネット」だった。第一次世界大戦で実戦デビューした航空母艦という艦種だが、設計も運用も手探りの状況が続いていた。
 
 帝国海軍で言えば「翔鶴」級が一応の完成形だが、より工業力の高い米国では、「翔鶴」に相当する「ヨークタウン」級でも満足せず、100機以上の艦載機を運用できる「エセックス」級を設計・建造しはじめていた。「ヨークタウン」級3隻は、軍縮条約の関係でやや小型で同じクラスのない「ワスプ」と合わせて日米戦開戦時の新鋭空母で、これらはほぼ実用にたる4隻だった。

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 「ヨークタウン」と「エンタープライズ」はほぼ同じ設計だが、一番最後に就役した「ホーネット」には改良がくわえられていて、少し飛行甲板が長い。このため陸上機B-25による日本本土奇襲には、格納庫に収容できないサイズの陸上機を甲板に並べた状態で日本本土に忍び寄る主役を演じた。有名な「ミッドウェイ海戦」にも参加、その後のガダルカナル島を巡る戦いでも主力として活躍していたが、日本名「南太平洋海戦」で日本の機動部隊(翔鶴・瑞鶴・龍驤・隼鷹ら)と交戦し命運を断たれた。帝国海軍が沈めた最後の空母であり、主力艦だった。
 
 この記事に掲載されている南太平洋のラバウルからフィジーに至る地図ですが、懐かしいものです。アバロンヒル社の「Flat Top」の地図でした。このゲームもよく遊んだのですが、ソリテアが出来ないので絞り込むときに捨ててしまったものです。ちょっと惜しかったですが。
 
<初出:2019.3>