Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

脅威の方程式

フロリダのナイトクラブで銃撃事件があり、100名以上の人が死傷した。報道によると使われたライフルはAR-15、あとサイドアームも持っていたとのこと。(映像をちらりと見ただけなので確信はないがグロッグ17みたいだった) 単独犯で、爆弾や手榴弾、…

Lewers St. WAIKIKI

ワイキキの西寄り、トランプ・タワーに近いところに"Lewers Street" がある。東側はロイヤル・ハワイアン・センター、西側がワイキキ・ビーチウォークで、どちらもショッピングもでき食事もできる。ロイヤル・ハワイアン・センターの西端、1階と2階には手…

リスクマネジメントのパラドックス

大手旅行会社にサイバー攻撃があって、800万人近い顧客の情報が流出したかもしれないと報道されている。聞くところによると、昨年の日本年金機構が被害にあったのと似た手口らしい。日本年金機構事案の実態については、内閣サイバーセキュリティ本部が詳しい…

人を殺すための予算

日本共産党の藤野議員が、NHKの日曜討論で防衛費を指して「人を殺すための予算」と発言して物議を醸している。もちろん批判も承知の上の発言だろうが、各党から「言い過ぎだ」「取り消せ」と非難を浴びることになった。さらに「そのような発言をする政党…

ベルファストへの旅

ベルファスト、と聞いてすぐに場所が思い浮かばなかった。ジェラール・ド・ヴィリエのプリンス・マルコ・シリーズに「怒りのベルファスト」という作品があったっけ。確かIRAが出てくる話だったな、そうかアイルランド島にあった、と思い出すことができた…

サルが書いた特許

昔、百万匹のサルとシェークスピアという話を聞いたことがある。非常に多い数のサルがキーボードをたたき続けるとシェークスピア作品を書くサルがでてくるというもの。実際には、サルがキーボードをそんなに長くたたけるのかという疑問が沸くが、これは比喩…

Cross Border DATA Flows(5/終)

"Forced Localization" という問題のなかでも、"Server Localization" とか"Data Localization" という問題について前回まで述べてきた。なかなかに根深い問題だし、製品輸出に関する他の問題(ソースコード開示等)ほど、注目が集まっていない。特に日本で…

Cross Border DATA Flows(4)

インターネットは「世界インフラ」だし、クラウド技術によってデータは「勝手に」国境を越えていくし、"Cross Border DATA Flows" を妨げようと言ったって現実的じゃないでしょう、というのが僕の正直な思いだ。ところが国によっては、いろいろなことを仕掛…

Cross Border DATA Flows(3)

クラウドとかRAIDとかいう新しい技術によって「勝手に」位置が変わってしまうデータのことを、前2回にわたって書いた。もうひとつの側面として、もともと場所は決まっていたという話を紹介したい。 現在はこの規定はないようなのだが、税関係の法規には、昔…

Cross Border DATA Flows(2)

「勝手に国境を越えるデータ」については、さまざまな意見があるようだ。ただ、この手の問題はずっと以前からあった。RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)のディスクというものが開発されたのは、1990年ころだったと思う。 https://ja.wikipedia.…

Cross Border DATA Flows(1)

以前Googleがデータセンターの電力を丸々オフにして、そのデータとタスクを丸ごと他の遠く離れたデータセンターに移す荒業をご紹介した。ITを使って何らかのタスクをすることは、地理的・物理的要素から徐々に離れていったのをご理解いただけたかと思う。 …

デフレの正体、NINJA編

デフレの克服が安部政権の第一目標だとして、政権も4年目になっている。日銀がGDP成長目標を掲げて金融緩和をし、円安になって輸出型産業から企業業績は改善した。ではデフレは止まったのか、というとそうも言い切れない。豪華な食事のイメージがあるビ…

無体財物の法的価値

ヒト・モノ・カネは、企業経営の3必須要素である。最近は、これに情報を加えて4要素になってきた。企業の機密情報が盗まれたとか、情報漏えいしたとか、情報にまつわる犯罪報道も増えて来た。さて、それでは情報を盗んだらどんな罪に問われるのか?意外と…

昭南島の宇宙基地

前回、マレー沖海戦で日本軍をとどめる可能性のあった2戦艦の最期を紹介した。制海・制空権をとった日本軍はマレー半島を南下、シンガポールに到達する。ここはイギリスの東洋における最大重要拠点であり、ヒトラーも同盟国である日本に求めたターゲットで…

デジタル産業の宿命

IT業界は、技術革新が他の産業にもまして激しい。学生時代含めて40年、ここで暮らしているとそれを実感する。ムーアの法則(集積回路上の論理素子の数は、1年半で2倍になる)は、半導体技術の成長の早さを示している。ただ、コンピュータは半導体だけで…

データセンターの環境指標

データセンターに欠かせないものが2つある。1つが通信機能、もう1つが電力供給だ。東日本大震災のような大災害でも、データセンターが止まったという話は聞かない。計画停電の対象地域になっていたとしても、停電の間はバックアップ電源を使って機能を維…

砲兵少尉ボナパルト

今でも、英語は苦手だ。まあ、技術屋同士の打ち合わせなら、専門用語は英語なのでそれなりに通じる。それでも外国へ行って、先方に誘われたらディナーなど一緒しなくてはならない。こういう時が困る。いわゆる世間話というやつ。相手がアメリカ人なら、ベー…

Prince of Walesの最期

先日、ハーグにある常設仲介裁判所が中国の南シナ海進出について、初めての(そしておそらく最後の)国際司法判断を下した。結論は、予想された通り中国側の敗訴となった。これに対し中国は「いかなる判決が出ても無効であり、中国に対して拘束力は持ちえな…

論理学とミステリー

高校2年生の後半に、理系・文系の進路希望調査があった。本当は「舌先三寸」商売がしたかったので文系を望んだのだが、「手に職」が必要と両親・親戚にあおられて理系に希望を出してしまった。(情けない・・・) さて具体的な学部・学科を選ぶにあたり、真剣…

メカニカルカメラの王者

1971年、日本工学工業は最高級一眼レフ "NIKON F" の後継機として、"NIKON F2"を発表し販売を開始した。かつてのレンジファインダーカメラの面影を残していた "F" に比べて、まったく新しい設計になったという。全体的に丸みを帯びたデザインだし、フィルム…

50年間の君臨

スティーブン・ハンターの描く「ボブ・ザ・ネイラー」ことボブ・リー・スワガー退役軍曹は最強の狙撃手だろう。60歳を過ぎても、なかなか引退させてもらえない。しかしアニメの世界では、彼を凌駕して50年間最強の狙撃手を続けている人物がいる。 ご存じゴル…

ミャンマーという最前線

ミャンマーのアウン・サウン・スー・チー外相が中国を訪問している。習近平主席が会うなど、1国の外相(ただの外相ではないけどね)に対するにしては厚遇だと言われている。ミャンマーとしても最大の貿易相手国ではあるし、まして隣国となれば極めて重要な…

ボーデン湖岸の町

スイス・ドイツ・オーストリアにまたがり、南にアルプスを望む湖、ボーデン湖。ドイツ語では "Bodensee" ボーデン海という。何の因果か幸運か、僕はそこで20年ほど前に年の1/4を過ごすことなった。僕にとっては初めての本格的な海外業務だったし、そこ…

パリ11区

パリの同時多発テロから、1年が経った。メディアで取り上げられることも少なくなってきたが、非常事態宣言は継続中である。数年間足が遠のいているが、僕らのパリの定宿「シタディーヌ・バスティーユ・マレ」は、その11区リシャール・ルノワール通り沿い…