Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

覆面の道場破り

囲碁のプロも匿名(というかハンドルネーム)で参加する、囲碁サイトがある。そこに登場した"Master" という名前の棋士がやたらと強く、60戦全勝ともいう。先日、Googleが正体を明かして"AlfaGo" の改良版だということが分かった。道場破りの覆面をはいでみ…

リチウムイオン電池の弱点

フルメカニカル・カメラである"NIKON F2" でも、露出計に使う小さな電池は内蔵していた。その後、電子シャッター・自動露出・自動焦点と機能が追加されて、フィルムカメラにおいても電気回路や電池が大きくなったことは以前紹介した。1980年代後半には携帯電…

旧皇族の復帰か女性宮家か(後編)

毎月月末の土曜日の未明、「朝まで生テレビ」という政治討論番組があって、僕も時々見ている。80歳を越えて4時間近い深夜番組の司会をしている田原先生には敬意を表したい。昨年の8月と9月、2ヵ月続けてテーマが「天皇家」だった。今上天皇の退位に関す…

旧皇族の復帰か女性宮家か(前編)

太平洋戦争(ドイツ・イタリアが降服していたのでこの呼称を使う)の最後、すでに死に体となっていた大日本帝国は、唯一「国体の護持」を目的に抵抗していた。松代に大本営を移そうとか、満州国に逃げ延びて抵抗するとか言っていたが、ソ連の参戦で満州国案…

Hawaii Five-O

この数年リメイク版が放映されているが、"Hawaii Five-O" のオリジナルは、1968~1980年に放映されたものである。主演の Jack Lord はハワイが気に入り、結局移住してしまったという。今は、胸像がカハラ・モールにある。オリジナルはポリス・ストーリーだっ…

EWAウィング

あまり考えられない話だが、仕事でホノルル、それもワイキキに行ってきた。ハワイ(ホノルル)には何度も行っているが、いずれも観光旅行。ワイキキ東端の古いコンドミニアムに最初滞在したものの、買い物が不便なのでアラモアナ地区やアラワイ運河方面(ワ…

走狗煮ラル(4/終)

「狡兎死して走狗煮らる」というのは、決して血なまぐさい物語にだけ出てくる話ではない。僕の業界にもあることだ。例えば、リスクマンジメント系のソリューションを見ていると、この言葉が妙に納得できる。 米国でエンロンやワールドコムといった会社が不正…

走狗煮ラル(3)

日本史で似たようなことを探すと、最初に思いつくのは源義経。木曽義仲を破り、一ノ谷・屋島・壇ノ浦の合戦で勝利し平氏を滅ぼした伝説の戦術指揮官である。日本史で初めての「幕府」の開設には、欠くことのできない人物だったことは疑いが無い。しかし本当…

走狗煮ラル(2)

前回「走狗」がウサギがいなくなる危機に直面したら、というケーススタディをしてみた。賢い「走狗」はもう少し前から考える。つまり、ウサギ討伐に手心を加えてこれを延命させるのだ。例えば「死せる孔明、生ける仲達を走らす」という故事がある。蜀の宰相…

走狗煮ラル(1)

やっぱり犬も食用だったのね、と思うがそれは今回の本題ではない。この言葉は、史記の呉と越の争いの時代に出てくる。有能な将軍は戦時には貴重なものだが、平時になると不要でクビになるということ。クビでは済まずに本当に首を取られるケースの方が多いか…

中国のサイバーセキュリティ政策(後編)

前編でも中国のサイバーセキュリティ法のネットワーク運営者の義務等についてコメントしたが、後編は残りの部分。(5)重要情報インフラの運営者は、重要データを中国国内に保存しなければならない。 典型的な「Forced Localization」である。重要情報イン…

中国のサイバーセキュリティ政策(前編)

オバマ政権の頃ならば、米国はインターネットの自由を守る国、中国(&ロシア)は自由を認めずネットを監視するのが当たり前の国、と区分できていた。しかし今年のダボス会議で中国の習主席が自由貿易を支持、トランプ発言などを念頭に置いた保護主義への警…

プロスポーツのビッグデータ

"Big Data" という言葉は、出てきた頃から胡散臭いと思っていた。プロセッサやストレージなどのカナモノを製造販売している狭義のICT産業は、5年で10倍の性能向上という激しい競争社会で生きている。彼らのすべきことは、5年で1/10になりかねない市場…

1/2の真価

以前「メカニカルカメラの王者」として、NIKON F2 と NIKKOR 85mm F1.8 をご紹介した。重さが1.5kgあることも。実はその半分の重さで、ほぼ同じことができる。NIKON New FM2 に NIKKOR 50mm F1.8 を付ければいい。 焦点距離こそ中望遠レンズである 85mm に及…

嘉数高台公園

宜野湾市の南端、浦添市との境に近い嘉数一丁目にその公園はある。那覇と名護を結ぶ幹線国道58号の大謝名(おおじゃな)交差点から、坂道をゆっくり登って30分ほどで着く。沖縄戦の時の壕やトーチカの跡が残り、いくつかの鎮魂の碑も立っている。ここは…

天才的なレトリック

自衛隊の「駆けつけ警護」を巡って、あまり意味のないレトリック論争が国会を空転させている。南スーダンでは政府軍と反政府勢力が争って、双方に死傷者が出ているし住民にも被害が及んでいる。これが「戦闘」なのか「衝突」なのか、政府・野党間での論争の…

南スーダンの友人

元々スーダンという国は、アフリカ最大の面積を持っていた。ナイル川の源流があり、古来ヌビアと呼ばれエジプト史にも精強騎兵・歩兵の供給源として記録されている。長い紛争の末、2011年に南スーダンが分離独立したが今また現地の治安が悪化、日本政府は自…

ムーンオーシャン宜野湾

沖縄に旅行にいくようになって6年になる。その年の夏に仕事で短い滞在をし、気に入ったのがきっかけになった。最初は、仕事で使ったのと同じ那覇市内のホテルをとった。街中を歩いていて、B&Bやウィークリー・マンション、バックパッカー向けなど多様な…

神のサラダ

まだ海外旅行に慣れていなかったころ、家内とフィレンツェに出かけた。街全体が美術館のようなところで、見どころは沢山ある。それも旧市街に多いので、歩いて回れるのがいい。それに、何といってもトスカーナ地方のワイン「キャンティ・クラシコ」が呑みた…

広域ブラックアウト

2016年10月12日に起きた首都圏の広域ブラックアウト(停電)では、60万戸近くが影響を受けたという。商売柄「サイバー攻撃」を疑ったが、それは杞憂だったようだ。それでも交通信号機が止まり、医療機関・交通機関・行政機関を含む広範な組織の機能を麻痺さ…

ならなかった和解(後編)

ローマ本国に攻め入ったハンニバル軍は連戦連勝、有名なカンナエの戦いでは決定的とも思える勝利をつかむ。 ◇ハンニバル軍 重装歩兵32,000、軽装歩兵8,000、騎兵10,000、合計50,000 ⇒ 死傷5,700 ◆ローマ軍 重装歩兵55,000、軽装歩兵9,000、騎兵6,000、合計70…

ならなかった和解(前編)

真珠湾攻撃から75年、日本の現役首相が太平洋戦争の発端となった真珠湾を訪れ「慰霊の辞」を述べた。「日曜日の朝、いろいろな語らいがあったでしょう・・・」などと日本語で聞くと大変芝居がかった演説に聞こえたが、英語に直してみると説得力のある語り口だっ…

自動車情報の活用(6/終)

最後にクルマのデータを使って、行政の役に立てる可能性を述べよう。初回に紹介した「バス・トラック等のデータを収集する」ことは、大きな事故を防ぐ効果が期待できる。これを僕が思った背景は、現在いろいろな団体・企業が保有しているデータの活用だけで…

自動車情報の活用(5)

次は中古車・中古部品等の販売事業である。「クルマの戸籍」を整備して"Car Fax" のようなシステムを構築しておけば、重大な事故や水没だけでなく、日々のメンテナンスや稼働状況も記録しておける。これによって、クルマの現在価値が中古車市場に出る前から…

自動車情報の活用(4)

次は車検・整備・部品販売等の事業について。保険の代理店業も含めてこれらの事業はひとつの会社で全部やっている例も多い。まず車検だが、これは法で定められていること。しかしリアルタイムで稼動データが入ってくるようになったら、定期点検を課す必要が…

自動車情報の活用(3)

次の例は、自動車保険への適用である。日本でも、実際の走行距離や運転の仕方によって保険料を変えるタイプの損害保険(テレマティクス保険という)がちらほら出始めている。どうやって実際の運転状況を知るかというと、いくつか方法がある。 北アメリカで自…

自動車情報の活用(2)

まず一般の乗用車ではない、特殊車両の例を見てみよう。代表的なものは建設機械。JR小松駅の前には、コマツ製の大型ダンプトラックが展示してあって、タイヤの直径が5mはあろうかという巨大さに圧倒される。昨今はやりの「自動運転」機能はすでに備えてい…

自動車情報の活用(1)

国交省がトラックやバスの運行情報を収集して安全を守る方針を示したとする報道があった。確かに深夜バスが、関越道で側壁に突き刺さった事故や、軽井沢での暴走転落事故などで多くの人命が失われている。これらの例では(少子高齢化の日本で)、若い人が犠…

沖縄そばとジューシー

20年も前だろうか、初めて沖縄に行き「そば」というものを食べた。内地の蕎麦とはまるきり違い、どちらかというとうどんのような外観、食感は固めのきしめんのようだ。スープは薄めのかつおだしで、悪くない。それでも、固すぎて食べられないという人もいた…

最後のフロンティア

「宇宙・・・それは人類最後のフロンティア」というナレーションで始まるSFドラマ "STAR TREK"。後に映画化されたとき、USSエンタープライズの美しさに感動した。このドラマの主役は、ウィリアム・シャトナーでもレナード・ニモイでもなく、航宙艦エン…