1971年、日本工学工業は最高級一眼レフ "NIKON F" の後継機として、"NIKON F2"を発表し販売を開始した。かつてのレンジファインダーカメラの面影を残していた "F" に比べて、まったく新しい設計になったという。全体的に丸みを帯びたデザインだし、フィルム交換に裏蓋を外す必要もなく、シャッターボタンの位置も前よりになって使いやすくなった。当時としては最速のシャッタースピード 1／2000秒を実現していることからもわかるように、最強のメカニカルカメラと言えるだろう。
"F2" はその後継機の "F3" が発売された1980年まで生産された。しかし、それ以降も中古市場で活発に取引され、広く使用され続けた。"F3" はもちろん "F2" を上回るスペックを持っているが、電子シャッターを採用しているので電池が切れると全く使えない。そういう利点もあるのでプロカメラマンでも "F2" を使い続ける人はいたようだ。
僕もこれを気に入って、方々の中古カメラ屋で３台買い集めた。レンズも21mm超広角から、24mm広角、35mm、55mmマクロ、85mm中望遠、105mm中望遠、200mm望遠と揃えていた。
写真は今でも愛着を持っている "F2" に "NIKKOR 85mm F1.8" を付けたものである。ただ、最近は利用頻度は極端に減っている。以前述べたように、性能的にはデジカメも十分以上になり、デジタル画像の方が圧倒的に使いやすいからだ。その上、重さの問題もある。上記のセットだと1.5ｋｇを超える。デジカメならその1/3だ。さしものNINJAも、重さが堪えるようになってきたので･･･。（情けないけど）
＜初出：2016.7＞
