Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

人件費と言う重圧

 今月、吉野家ホールディングスの株価が急落した。1日で100円あまり下がったこともある。原因はもちろん業績不振で、赤字幅が拡大したことによる。決算を見ると、売り上げは伸びているのだがそれ以上に経費が膨らんでいる。特に重いのは人件費だ。

 
 韓国文政権の経済苦境の一因は、政策的なもので最低賃金を無理やり上げ続けたことだ。日本はそんなアホなことはしていないのだが、需給の関係で人権費が高騰している。これがかつて「デフレの象徴」とも言われた外食産業を直撃しているのだ。
 
 吉野家ホールディングスは、「定期券」や「パスポート」といった新機軸、単価の高い「牛すき鍋膳」など新商品を繰り出し事業拡大に努めていて、それらは成功している。ただその努力を上回る人件費という重しが経営を圧迫しているわけだ。そこで実験的にではあるが、セルフ店舗を導入したという。
 

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 残念ながら、対面にこだわったセルフゆえ中途半端だとの指摘がこの記事。2週間ほど前には「食券自販機を導入せよ」との記事もあったが、その動きもない。確かに対面で、料金後払いというのは他のチェーンには見られない特徴だ。また吉野家では、外国人アルバイトの比率が少ないことも特徴である。
 
 コスト削減はしても最低限の矜持をもって運営している姿は立派だとは思うのだが、高価な「牛すき鍋膳」(これが人手を食う・・・)が人気なように、吉野家へ来るお客さんはその価値を知っている人たち。赤字を続けるわけにはいきませんから、矜持を守ってここは値上げでしょうね。中途半端なセルフ方式よりは、いいと思います。
 
<初出:2019.1>