日差しはともかく、風が吹いてきても涼しく感じないほど暑い時期になった。都会のジャングルは足元が熱を持っていて多少の雨くらいでは冷めないので、雨が降ると余計にまとわりつくような暑さに襲われる。この時期、ランチのメニューも限られてくる。ご当地鍋などで業績が好調で、吉野家の株は順調に上がっている。そうはいっても、いくら株主でも、鍋膳ランチという気分にはならない。
自然と、蕎麦やそうめんの店に足が向く。麺類といっても、熱々のスープは遠慮したいから、冷麺が恋しくなる。中華のお店だと、炒飯や餃子という選択もあるが、やっぱりここは「冷やし中華」。本家本元の中国ではあまりみかけないそうだから、和風中華の代表的なものと言えよう。学生の頃、学食でよく食べた記憶がある。街中の中華料理店でも、夏季には大体メニューに載る。
スープは、この時期に合うさっぱりした酢が効いていてまずまず。具材は錦糸卵の味は合格だが、ハムは品質がいまいちのように感じる。目が粗く、その分細切りにできないようだ。それでも、黒酢につけて食べるならそう目立つ欠点ではない。とりあえず熱くならないで午後を迎えられるなら、十分なランチと言えるでしょうね。
<初出:2017.7>