Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

吉野家の蕎麦

 吉野家のカンバンに何種類かあることに、最近気づいた。あまり数はないが、橙地に濃紺のラインが入っているのが、蕎麦を出す吉野家である。ある休日の昼過ぎ、藤沢駅前を歩いていてそのようなカンバンに出会った。残暑で日差しも強いから、あまりゴツいものは食べたくない。牛丼なんかパス・・・と思って通り過ぎようとした時、蕎麦のサンプルに目が止まった。

 
 もりそばくらいなら夕食にも差し支えないだろうと、遅めの昼食はここで摂ることにした。カウンターが10席弱、テーブルも数卓しかないこじんまりした店内である。2人ほど先客が居て、やはり蕎麦を食べている。外気の暑さゆえさもありなん、と思ってもりそばを注文した。
 
 やや年配の男性客が僕の後から入って来て、蕎麦に天ぷらを追加した。そして最後に注文したのが、日本酒。さらにもう一人ガタイのいいお兄さんが入って来て、生ビールともりそば、牛丼をまとめて頼んだ。なるほど、蕎麦で昼呑みかと感心した。

    f:id:nicky-akira:20190428133310p:plain

 
 昔から蕎麦屋で一杯というのは、ツウなお話。板ワサとか天ぷらを肴に日本酒を1本きゅっと呑み、締めに蕎麦を手繰って早々に席を立つというのが「江戸っ子」という。「吉呑み」の方は居酒屋風で、サラリーマンのグチの捨て場にもなるように長居もできるように考えているようだが、こちらはさっと呑んで帰るという客層を狙うわけだろう。
 
 で、蕎麦の方だが、細めに切ってあってゆで加減は固め。つゆは醤油味の濃いもの。感覚としては、日本酒にもビールにも合いそうだ。固めの麺が好きの僕としては、味に文句はない。ただもりそば一杯(1玉)なら、「小諸そば」「富士そば」では300円前後、それがここでは390円である。
 
 単品で競っているわけではないのだろう。単に食事なのではなく、お酒と一緒にというコンセプトならこの値付けもあり得るかもしれない。それにしても、牛丼(並)が380円。それより高い蕎麦って何なんだろうとは、思ってしまいます。
 
<初出:2017.9>