Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

レッドオーシャンでのソーセージ戦争

 ようやく円安効果(?)が消費者のところまで届いてきたのか、昨年の天候不順や災害による品薄なのか、食品の高騰が止まらない。そんな中で、ソーセージの価格下落に関する記事があった。消費者からすれば安い方がいいので歓迎なのだが・・・

 
 
 どの業界も構造改革にさらされていいて多くはデジタル革命のあおりを喰らったものだが、この業界はそうではなさそうだ。単純に過当競争なのではなかろうか。すでに伊藤ハムと米九が経営統合しているが、このようなことはもっと起きるだろう。現に伊藤ハム・米九組は唯一減収、減益になっていない。
 
 この記事にあるように、食品全体が値上がりしているのにソーセージについては値下がりしていて、特に都市部での下落がひどい。冒頭書いたように円安で輸入原料が値上がりしているし、人件費も上がっている環境下でこの経営は厳しい。さらに個別の商品についての分析が続くのだが、コトは個別の商品の競合力が本質ではないような気がする。

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 縮小する日本市場でシェアを確保しようとすれば上記の分析になるのだが、問題は海外からの製品輸入である。ドイツなどを旅行していると、この手の加工食品は非常に安い。ブランドものの「イベリコ豚」が値崩れしているようにすら思えた。この背景はスペインの経済不況である。ドイツの安売りスーパーは、スペインやギリシアのような苦境にある国から商品を買いたたいているはずだ。
 
 日本も経済的な閉塞感があるが、欧州も良くない。ハム・ソーセージと言えばあちらが本家、欧州からの安値輸入品が(ドンキあたりによって)流れ込んでくるのはないだろうか。都会の人たちは普通のスーパーではなくドンキなど激安店に行き、ゆえに都心部の価格下落はひどいと思う。日本の業界は、2社程度に再編されるのではないでしょうか?
 
<初出:2018.3>