Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

IR法案、成立のめどは?

 文書改ざん問題で、麻生副総理/財務大臣はG20の財務大臣会合に出席できなかった。正直ご本人に悪いところがあったとすれば監督責任くらいのもので、「なんで総理の女房の件で俺が・・・」とご不満であろう。そんな風に国会が混迷する中、長年の懸案「IR法案」がどうなるかに一部の人たちの視線が集まっている。

 
 
 かつて建設業を中心としたある団体の勉強会に参加していたころ、カジノ誘致を真剣に語るシンクタンクの人がいた。彼はリノやラスベガス、昨今ではマカオやソウルの例などひいて地域経済活性化の切り札だと熱く語った。僕自身は、言論人の先輩としてこの人に盾は突かなかった。専門外だったせいが大きい。
 
 しかし全世界のカジノの市場規模は20兆円くらい、日本にはそれに匹敵するパチンコというギャンブルビジネスがあり、その上にカジノ誘致して産業振興になるかは疑問視していた。

        f:id:nicky-akira:20190529063111p:plain

 ラスベガスには最近行っていないが、カジノはその産業規模の数パーセントだと聞いた。ショウやスポーツ、エキシビションなどが収益の柱であり、カジノは付けたりだと思うべきだ。エキシビションやカンファレンスに配偶者が出席する場合、その妻/夫はヒマなので何か楽しめることが必要だ。その一つとして、カジノやショウは有力な候補だ。というような本質的な議論は聞こえてこないまま、カジノの入場料を8,000円にする(公明党案)とか、入場回数を制限するとか些末な話だけが報道されている。
 
 カジノではなく日本で開催される国際会議の数を増やすこと、そのために会議場や関連施設(含むカジノ?)を整備すること、ハコモノだけでなく国際会議を運用できる人的能力を含むソフトウェアも整えることが求められる。そして最も重要なのが国際会議のテーマたるコンテンツ、世界中でデジタルエコノミーに関する議論をしたいという話は一杯ある。そういう場を作れるかの方が、カジノ云々より重要だと思いますが。
 
<初出:2018.3>