Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

科学技術振興機構

 文部科学省は、僕にとっては中程度に距離のあるお役所である。ICT技術の発展は急で、国際競争は厳しいからある程度は国(税金)の支援が必要である。先進国と言われる国は、大なり小なり研究開発の幾分かを政府で負担している。軍事も含めて技術開発にカネをかけるのは当然で、昨今の情勢ではその相当の部分はICT研究投資である。

 
 政府のICT研究投資を担っている政府の外郭団体はいくつかあって、そのひとつは今スパコン企業からの詐欺被害が懸念される新エネルギー開発機構(NEDO)。ただ、ここは経産省の外郭である。文科省の主力は科学技術振興機構(JST)となる。その予算規模はおおむね1,000億円/年。
 
 文科省では昨年組織的な天下り問題が持ち上がり、現職の事務次官が(事実上)クビになった。その人物前川前次官が、加計学園問題で官邸に対し「ハチの一刺し」をしたのは記憶に新しい。さらにその前の事務次官、彼こそ組織的「天下り」の運営主体と目されるのだが、現職主義で粛清はまぬかれたらしい。ちゃっかりJSTの顧問におさまっているとの報道があった。
 
 

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 10年ほど前、イノベーションのための規制緩和を議論する会合に呼ばれた。この手の会合は沢山あるが、その時はJSTが主催。最初どういう団体かも知らずに出掛け、大物の大学教授が一杯出席しているのに驚いたことを覚えている。おひとりおひとり、政府の研究会・検討会の座長ができるような人ばかりだったからだ。
 
<初出:2018.1>
 
 あとで事情通という人から、「大物教授ほど傘下の先生たちが多く、彼らに廻す研究費をたくさん必要としている。その源泉たるJSTには足を向けて眠れないのさ」と教えてもらった。なるほど、学の世界でも故田中角栄元総理の言う「数・カネ・力」の論理は生きているのかと納得した次第です。