Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

さよなら「棒二森屋」

 いまごろ函館はどのくらい寒いのだろうと、この10年ほどよく訪れる街のことを考えている。北海道の中では温暖な地方だから、現地の人にとっては「大したことはない」ということかもしれない。かつては雪のシーズンやクリスマス近くにも行ったことがあるが、このところはもっぱら8月が訪問する時と決まっている。


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 地方の記事を見ていて、久々に「棒二森屋」という文字を見つけた。昨年末が最後の年末商戦だったという記事である。「平成最後の」ではない、本当に最後だったのだ。
 
 
 函館駅前の十字路、その南東の一角を占めている大きなデパートが「棒二森屋」。屋号は赤地に白く、もしくは白地に赤く「縦棒1本、横棒2本」が書いてあるもの。最初読めなくて「仁」のミスプリントかと思ったほどだが、現地では有名な店だ。
 
 ルーツは明治2年(!)創業の「金森森屋洋物店」。そういえば今でも函館港に「金森倉庫街」というものが残っている。この洋品店は百貨店に業容を拡大していったが、恐らく1950~60年代が事業のピークで1980年に経営不振からダイエー傘下に入っている。函館駅前に5階建ての大規模店舗を開店したのが1937年と言うから、約80年の歴史を持っている百貨店である。
 
 

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 それが今月末をもって閉店するということを、昨年8月に行った旅行で初めて知った。地下のダイエー系スーパーで食品を、酒店で信州の日本酒を、ベーカリーで焼き立てのパンを買ったのを思い出す。お土産物もいくつか買ったよね。
 
 チェックインタイムより早く着いてしまった時には、地下のコインロッカーが便利だった。函館駅より安かったし、目の前は市電の停留所なのだから・・・。今度函館に行くとしても夏だから、もう「棒二森屋」はビルも無くなっているだろう。ちょっと感傷的になって、この記事を見ていました。
 
<初出:2019.1>