Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

プレミアム・フライデー

 政界・財界共同で推進する「プレミアム・フライデー」が2月24日からスタートする。経団連でも、24日には東京駅近辺でイベントを企画しているらしい。毎月月末の金曜日が15時で仕事を止め、ショッピングや食事、もしくは家庭団欒に時間を使いましょう、ということ。さっそく八重洲地下街には24日を待ちきれず、2月のそれ以前の金曜日からイベントを開催する。

 店側が「お得ですよ~」と呼びかけるのだが、売らんかなのメッセージが見え隠れするので一部消費者からは「どっちがお得なのかね」と疑問の声もあるだろう。TV局のインタビューに対して市民の意見は、「月末は特に忙しいので15時終業は難しい」「職場の雰囲気がどうなるかわからない」とやや懐疑的である。


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 政府としては「ワークスタイル改革」を推進しているのに電通事件など負の部分が露呈しているので、このような企画で巻き返そうというわけ。確かにこれが一部でも定着すれば、消費は増え景気にプラスになることは疑いがない。日本人はルールとして定められれば比較的従順に従うので、ある程度の効果は期待できる。問題は、多分これが一部に留まるだろうということである。

 正規・非正規の違いや大手・中小の違い、職業の違い等によって、プレミアム・フライデーどころか土曜日だって働かなくてはいけない人は多い。2時間就業時間が縮まれば、その分収入が減るので別のアルバイトに出かける人もいるかもしれない。
 
 政府はまず出来る企業からということで経団連等とタイアップするようだ。そして、徐々に中小企業に文化として浸透してゆけばいいとの考えのはずだ。こういう文化のトリクルダウンが成功すればいいが、短期的にはこれがさらに大手・中小の労働者間の格差を、助長することになろう。

 20年ほど前ドイツでしばらく仕事をしていたが、金曜日の昼になるといつもの連中が会社の食堂に来ない。仕事仲間の彼らだけでなく、ひどく食堂で食べている人数が少ないことに気づく。まだ結果を聞いていない実験もあるので探してみると、駅前でビール飲んでいるのを発見。どうなっているかと問い詰めると、金曜日午後に働くものは少ないよとの答え。当てにしていた実験結果の数値は、週明けまで貰えなかった。

 欧州ではワーカホリックと呼ばれているドイツ人、彼らは政府が「働いてはいけない」という規制をかけると、大真面目に休む。まあこいつらもドイツでは大手に勤めている連中だからだろうが、ドイツ人に似た性向を持つ日本人。今回の政界・財界のトライアルは成果を出せるでしょうかね?
 
<初出:2017.1>