Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

津軽海峡の交通

 函館は何度も通う好きな街だが、函館駅周辺から函館山に向かう旧市街の衰退は著しいと以前紹介した。主な原因は函館駅が青函連絡の乗り換え駅ではなく、ただの終着駅いなってしまったことである。駅から「朝市」を経て港へ出ると記念館(艦?)となった「摩周丸」が係留してあるが、フネの風情はなんとなく恨めし気に見える。

 
 新幹線が函館まで開業して1年になるが、新函館北斗駅は函館とは名ばかり北斗市市渡にあり、函館駅からは約18km離れている。ただでさえ函館駅周辺から五稜郭方面にオフィスなどが移っているのに、都市機能の中心はさらに北へ移ることになるだろう。

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 そんな中、嬉しいニュースが入ってきた。新幹線は確かに速いが、料金の方もそれなりである。津軽海峡を渡る方法は「速くて高い新幹線」と「時間はかかるが安いフェリー」に二極化しているという。クルマとともにフェリーに乗る「航送旅客」は微減だが、「一般旅客」は前年の2倍に達する月もあるという。
 
 
 新幹線開業で、青森・函館を結んでいた特急「スーパー白鳥」「白鳥」や青森・札幌間の夜行急行「はまなす」が廃止された。これらの利用客はフェリーにも流れたのだろう。写真は立待岬から見た、津軽海峡越しの本州。大小の船が行き交い、今でも重要な海峡であることを窺わせている。立待岬は、演歌の題名にもなったところ。函館駅前から市内電車に乗って、十字街で2方向に分かれる一方の終着駅「谷地頭」から坂道を20分ばかり登ったところにある。晴れた日には函館市街から函館空港津軽海峡が見渡せる。風も強いので、最初登った時には吹き飛ばされそうになったことを覚えている。

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 北島三郎記念館があるからというわけでもないが、演歌の似合う懐かし気な街である。新幹線開業でますます寂れると悲観していたが、新幹線開業がフェリーの復権、函館港と旧函館駅周辺の活性化につながってくれたらありがたい。
 
<初出:2017.3>