Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

洋風居酒屋「南部坂」

 函館山の麓には、数多くの坂があってそれぞれに名前が付けられている。僕らの定宿のところにあるのが「大三坂」、ハリストス正教会のところからは「チャチャ登り」という特別な呼称がある。景色で有名なのが「八幡坂」、とても広いのが「二十間坂」、そんな中に「南部坂」というのがある。


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 「南部坂」と検索すると、リーディングワードで「南部坂、雪の別れ」というのが出てくる。これは東京都港区にある坂の方で、忠臣蔵のクライマックスに近い一幕のこと。函館山の坂は、これとは関係ない。函館ロープウェイ乗り場に隣接しているこの坂、乗り場の直ぐ下には旧南部藩の施設があったとの看板も出ている。これが坂の名前の由来だろう。さらに下っていくと、十字街に出て市電に乗ることができる。
 
 その途中に、実は10年前から気になっている店があった。その名前が「南部坂」という。古い民家風の平屋建てで、ツタがからまっている。秋から冬にかけてはツタの葉が紅葉して、遠目にも美しい。表に掲げてあるメニューを何度か通りすがりに見ていて、なかなか面白いメニューとお酒の品揃えだと思っていた。いつか行こうと思っていながら結局入ることが出来なかったこの店、今回は出発前から「行くぞ」と決めていてちゃんと予約して行ってみた。

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 カウンター10席弱と4人掛けのテーブルが2つ、さらに小上がりの4人卓が2つと洋風・和風ミックスの面白い造り。カウンターの奥には、ずらりと焼酎・日本酒の一升瓶が並んでいる。とりあえずビール、と思ったらなかなか珍しい外国のビールがある。何度かベルギーで呑んだことのある「Leffe」があったので、それを頼む。キンキンに冷えた小さめのジョッキと共に出てきた黒いボトル、昨年の出張で呑んだよなと思いながらゆっくり味わった。
 
 いろいろなおつまみを頼んでワインも飲み、最後は和牛ステーキとピラフのプレートでしめた。とても美味しい店だったのだが、ひとつだけ残念なのは人手不足なのかテーブル係のお姉さんがテンパってしまっていて、注文のタイミングがつかみにくかったこと。また注文してもなかなか料理が出てこないこともあった。テーブル・卓が埋まっていたわけでもないのですが・・・もう少し空いている時にもう一度行ってみましょうか。
 
<初出:2018.9>