昨年函館に来た時に、何度か入ったことのあるラーメン店「ゆうみん」に姉妹店ができたのを知った。その名も「麺屋四代目」。この２軒は、市電の走る道路を挟んてナナメ向かいに位置している。今回は新しい店の方に入ってみようと、昼ちょっと過ぎにのれんをくぐった。
市電函館駅前電停から松風町電停に至る300mほどの道、昔は目抜き通りだったはずである。両側の店舗も古さが目立ち、元気そうにみえるのは大規模パチンコ店「マルハン」くらい。函館駅前電停の前にある「棒二森屋」という大規模デパートも、来年１月末には150年の歴史に幕を下ろすとクリアランスセールをしている。来年の夏に来た時にはどうなっているのか、心配である。
そんな中、小規模の店とはいえ新規に出店したというのはありがたいこと。その意気を買って、一杯いただこうと思った。「ゆうみん」は普通にテーブルに着いてオーダーするのだったが、ここは食券自販機がある。まあ一歩合理化に進んだと言う事だろう。
選んだのは基本メニューである「塩ラーメン」（650円）、コーンやバターをトッピングすることも考えたのだが、「新しい店では基本メニュー」というのもまた基本。あまり広くない店だが、カウンター中心なので通路などは広く感じる。１～２名のさっと食べて帰る客をメインに据えて、サービスをする人のスペースを十分にとったデザインだろう。ざっと20人くらいは入れそうだ。
外界の暑さもあって、ややぬるめの塩スープがありがたい。柔らかなダシの効いた塩味でほっとする。麺は僕の好みからするとやや太めだが、一般的には普通の太さの縮れ麺である。具はチャーシューとメンマ、刻みネギだけとシンプル。食べてみたところ、「ゆうみん」と大きな差は感じなかった。とびきり美味いというわけではないのだが、函館と言えば「塩」。これを食べないことには始まりませんし、また来年もお世話になろうと思います。
