Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

寿命のお値段

 会社人生を終わって、さあ自分の時間を満喫しようというのが人生最後の(ひょっとしたら最大の)楽しみだと思うのだが、気になるのは残りの寿命。それも健康寿命でなくては面白くない。健康に気を遣って生活習慣を見直したり、欲しいものを我慢したりするのも、行き過ぎると何のために生きているのかわからなくなる。

 

       f:id:nicky-akira:20190502212945j:plain

 だから我慢はほどほどにして、不遜な話だがカネで寿命を買えないかという発想はあり得る。従来の医学だけでなく、人工臓器などバイオテクノロジーやマイクロエレクトロニクスを使った治療/予防も空想の世界だけではなくなってきている。こういうものの開発には時間も資金も必要だが、それをどう回収するかと言えば患者からいただくお金が主体になるのは当たり前である。
 
 ではそのお値段はいかほどにすべきか、というマーケティングには以前から興味はあった。しかし寿命のお値段をどうつけたらいいか、基礎になる数値が見当たらなかった。しかし、今回UBSの調査に面白いことが書いてあった。
 
 
 注目したのは、100~200万ドルの金融資産を持つ富裕層は健康寿命+10年が保証されるなら、資産の1/3を払ってもいいということ。もっと資産の多い人が半分を払ってもいいと言っているのは、母数(市場)が少ないのであまり参考にはならない。100万ドルクラスの富裕層はそこそこいるので、マーケティングの参考になるとは思う。彼らの資産の1/3は30~60万ドル相当ですから、日本円でも4,000万円前後になります。さて、10年の寿命のお値段4,000万円というのは、いかがでしょうか? 
 
<初出:2018.5>