Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

GAFA憎し

 EUのICT政策系の人たちと話していてありありとわかるのが「GAFA憎し」というスタンス。これは、Google, Amazon, Face-book, Appleの頭文字を並べた造語だ。「データは21世紀の石油」という言葉も、20世紀はエクソンなど石油企業が株価総額の上位を占めていて、21世紀にはこれらデータ(インターネットサービス)関連企業の株価総額が大きくなったことを示している。

 
 その一角Face-bookで、その時価総額4兆円分が吹き飛ぶ騒ぎが起きた。データ5,000万人分の不正使用に加担したという疑惑である。報道されているところによると、前回の米国大統領選挙のおりトランプ陣営に雇われた英国のケンブリッジ・アナリティカという企業が同社からデータを受け取り選挙戦術の策定等に活用していたとされている。
 

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 現時点で、当該選挙にロシアのサイバー攻撃があったとする件などとの関係性は伝えられていない。まあトランプ陣営や勝手応援勢力がいろいろやったうちの一つなのだろうと思う。これはこれで重大事件なので、同社は真摯に捜査に協力することと当局の捜査の進展を待ちたいが、もうひとつ気になるニュースが入ってきた。
 
 
 個人情報の目的外利用をされたのは大半は米国民(有権者)であろうが、被害を受けたわけでもないEU議会の側から同社CEOマーク・ザッカーバーグ氏を呼びつけようという動きが出たことである。簡単に言えば、いい機会なので議会でつるし上げてやろうということだろう。その結果EU議会の議員さんの得点になればいいわけだ。
 
 GAFAは、欧州にも(日本にも)膨大なユーザーを持っている。ユーザーの嗜好や行動、思想などの情報は知らず知らずに米国に流れているのがけしからんというのが欧州のICT政策屋さんの意見。問題は「つるし上げ」の結果欧州市民Face-bookから離れるかどうかで、ここは注意深く見ていく必要があります。
 
<初出:2018.3>