Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

黒いニワトリ

 イタリア・トスカーナ地方と言えば、キアンティ・クラシコ。その証拠は、瓶の口のところにある黒いニワトリを描いたシールである。このあたりはなだらかな丘陵地が続き、陽の当たる斜面にはぶどう畑が広がっている。フィレンツェに旅行した時、1泊だけ足を延ばしてグレーベ・イン・キアンティという小さな町まで出かけてみた。

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 フィレンツェのサンタマリア・ノベッラ駅のそばのバスターミナルから、おおむね1時間。田舎のバスに揺られてその町を目指す。運転手にどこでおりたらいいか聞くのだが、英語は通じずなんとなくしか意思疎通できない。それでも、「チェントロ・チェントロ」というので、そこで降りてみるとどうも目的の街らしい。
 
 予約したホテルはこっちかな、とチェックイン時間には間があるのに歩いてゆくと、「NINJAさんかい」と声をかけられた。その青年マルコさんが、宿の主。
 
 旅行社の案内によると「古いパスタ工場を改装した、趣あるホテル」とあるが一部誤りがあって、「パスタ工場を改装している」途中だった。それでも改装が終わった部屋に案内されて「オブリガードだ」と、ラベルのないワインを貰った。それから街中から付近の丘陵地帯を散策。

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 Coopがあったので入ってみると、でかい若者が大勢騒ぎながら買い物をしている。言葉はイタリア語ではないし、こんなでかいイタリア人は知らな・・・ドイツ人でした。こいつらは集団になると、やたら騒ぐ。そういうのをかいくぐって、チーズとトマトを買って帰る。チーズと思ったらマーガリンだったが、まあ仕方がない。
 
 ところが、貰ったワインがなかなか開かない。何か仕掛けがあるのかとおもったが、マルコさんが「すごい力」で開けてくれた。そんなものらしい。街には、そこかしこにキアンティ・クラシコを象徴するものが立っている。例えば、右の黒いニワトリのモニュメント。後方には教会とおぼしき塔も見えることができる。
 
 イタリアというが、現地に行くととてもひとつの国とは思えない。ここトスカーナでは、地元のワイン以外は店頭に並んでいないのだ。例えばバローロは、というと別の国のワイン扱いだ。となりの州なのに。
 
 地形上小さな都市国家が点在していただろうから、仕方ないのだろうが・・・。それでも、キアンティは美味しかったです。
 
<初出:2016.9>