Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

獺祭狂騒曲

 職場での忘年会・新年会はしばらく前に卒業していたのだが、このところ社外のお付き合いが増えてきてそちらの会は断りづらい。この年末年始は何年ぶりかで、忘年会・新年会に行った。そのうちの1軒、あまり馴染みになかった巣鴨駅近くのお店で、なかなか品揃えのよい「飲み放題」に出会った。

 
 もともと「飲み放題」は好きではない。幹事さんには嬉しい仕組みなのだろうが、どうしてもお酒を大事にしなくなるからだ。またいいお酒に出会えないのも、僕にとっては問題。ところがこの店、焼酎のメニューが良く、僕の好きな「さつま島美人」が置いてある。びっくりしたのは、日本酒の中でも有名な「獺祭」が載っていたこと。喜んだ参加者たちは、こぞってこれを注文した。
 
 獺(カワウソ)は乱杭歯なので、魚を綺麗に食べることができない。食べた後がとっちらかっているので祭のあとのように見えるのがその名の由来だという。カワウソすら嬉しくなってお祭り気分になるような良い酒ということらしい。
 
 ところで昨年、「獺祭」の蔵元が「高く買わないで」と異例の広告で訴えたというので話題になった。ネット上での転売で異様な高値が付き、本当に酒の味の分かる人に届かないという危機感からだろう。酒も喜んでもらえる、味の分かる人に飲んでもらうのが本望というわけだ。
 

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 しかし「飲み放題」はともかく、居酒屋としては「獺祭」を置いているかどうかは集客に関わる。画像のようなスーパーマーケットでも、目玉商品として売られている。大量生産できているとは思えないのに、方々でお目にかかる。
 
 どこまでが本物なのかはわからないし、他にも美味しいお酒は一杯あるはず。あまりフィーバーしてしまう消費者もどうかなと思う。え、どうせお前は味なんかわからないだろうって?いや、おっしゃる通り、僕は酔えればいいのです。
 
<初出:2018.1>