アラモアナセンターの変貌は著しい。山側の一角を占めていた「ノードストローム」はワード地区寄りに移り、その後にフィットネスジム(1階)と「ターゲット」(2~3階)が入っていた。100人以上のフィットネスをする人を通りから眺められるのは、宣伝の領域を越えて動物園を見ているような感覚にとらわれる。
そこから山側に向かうと、そこはアジア地区。韓国系のスーパーマーケットや飲食店がひしめくが、大きなスペースを占めているのが「ドンキホーテ」。いろいろなものが安価に手にはいるので、滞在のとき何度か食料補給やお土産調達に出かけている。今回2年ぶりに行ってみると、少し様相が違っていた。
一部のお土産物をのぞけば、ほとんどが日本のもの。日本の街のスーパーマーケットかと見紛うばかりである。以前の品揃えだと「ターゲット」がモロに競合するから、少し差別化を図ったのかもしれない。店の外側に並ぶ軽食店も入れ替わったり、閉店しているようだ。アラモアナセンターが改装され、フードコートが充実したせいもあろう。競合が厳しくなった印象だ。
お酒コーナーに行ってみると、他の店(ホールフーズ・フードランド・セーフウェイ・ターゲット)などに比べて、焼酎や日本酒の充実がすごい。一般に高めになるのは仕方ないとして、まあリーズナブルかなと思うものもあった。しかし一部のお酒はびっくりするような価格。例えば日本国内でも有名なお酒「獺祭」。その人気の過熱ぶりは一度紹介しておいた。
それがなんとここでは550ドルほどもする。普通のワインサイズ(約4合)で、である。確かに「獺祭」の中でも高級なもの「その先へ」ではあるのだが、これでは「オーパス・ワン」並みではないか!
これには2つの解釈があると思う。ひとつには、有名になったものであること利用して誰かが暴利を貪っているということ。もうひとつは、日本酒の認知度が世界中で上がり、有名なワインに肩を並べるくらいになろうとしているということ。多分前者だろうなとは思いながら、ぜひ後者であって欲しい、そちらに向かって欲しいと思う僕でした。
<初出:2018.1>