さて帰れるとなると、急に力が抜けてしまった。先々週のイスラエル出張は緊張していたし、中1週間での欧州再度訪問は結構きつい。こういう時、日系の航空会社は(青くなくても)有難いと感じる。夕暮れのド=ゴール空港を後に、飛行機に乗り込んだ。
ド=ゴール発1900、羽田には1500くらいに着く11時間あまりのフライトである。時差は8時間、出発時は日本時間で深夜の3時にあたる。ラウンジでワインを2杯飲んだのだが、こうなると日本酒/日本食が恋しくなる。
で、アミューズに合わせて高知の純米吟醸「しらぎく」を頼んだ。肩の力が抜けているせいか、水のような味わい。いや、日本酒とはその土地の水の味そのものなのだと、ある人から聞いたことがある。四万十川かどうかは知らないが、高知県のゆうゆうたる川の流れを感じさせる味である。
せっかく日本酒をたのんだのだからと、続く料理も日本食。6つに仕切られたお弁当のような仕立てに、手の込んだ料理が並んでいた。「しらぎく」180mlは大事に飲みたいので、左手の水を交えながらゆっくり味わう。手前の赤い折り鶴は、箸置きだった。
メインディッシュは少量の牛すき焼きとサーモンの焼き物、売りは機内で炊きたてというササニシキのご飯だった。なんと、1合の日本酒で満足してしまい(酒飲みのカンバンを降ろさないといけないかも)そのまま安眠。往路は仕事のことが頭にちらついて飲めない(飲んでも酔えない)し、復路疲れもあってちょっとのお酒で眠ってしまう。損な性分だとは思うのだが、まあ仕方がない。
シベリア上空あと4時間で到着というタイミングで起き上がって、トマト&モッツアレラのサラダを頼んだ。これは洋食のベジタリアン用メインディッシュと同じもの。合わせてパリを懐かしみ、ブルゴーニュの白ワインを飲みました。ボン・ボヤージュ!
<初出:2018.3>