Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

Point of Sales(1)

 いわゆるPOS端末というものには、皆さんも毎日のようにお世話になっているはず。コンビニで、スーパーで、レストランで、ガソリンスタンドで・・・。大手スーパーではセルフレジも増えて来た。クレジット・カードや電子マネーにも対応し、相応の進化を遂げている。今回は、POSの歴史と今後の変革を考えてみたい。

 デパートという値札による定価販売方式の大規模店舗は、1838年パリに開業した「ボン・マルシェ」が最初らしい。創業者のヴィドー兄弟は「デパートを発明した者」と呼ばれた。一方スーパーマーケットというセルフサービス方式の食料・雑貨店は、1916年メンフィスに開業した「ピギー・ウィグリー」が最初と言われる。

 スーパーマーケットという気楽に買い物のできるアメリカ人好みの店舗スタイルは、1920年代にはかなり普及してきた。1950年代になると郊外の開発も進み、クルマで訪れる大規模店舗が増えて来たが、精算はキャッシュ・レジスタが精々だった。大規模店で大量仕入れ・大量販売をするものだから、万引きや従業員の不正対策には頭を悩ませられる。    

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 今でもこの種の業界では同様の問題に悩み、商品紛失率が常に指標として管理対象になっている。聞いた話なので確証はないが、1%くらいはありうること、2~3%で黄信号、4%を越えたら倒産の可能性とも言う。

 さらに大量に扱うことになる商品の管理も大問題だ。在庫の調整、欠品になる前に発注、消費期限の管理等々人手のかかることばかりである。そこで、商品管理を電子化しようという試みが始まった。そのうちのひとつが「販売時点情報管理(Point of Sales)」である。商品にバーコードを付け、入荷したり販売したり商品が動いた時点でバーコード読み取りをすれば、デジタル化されたデータで商品の状況がわかる。

 精算にしても何点で合計いくらとはっきり記録・表示されるのだから、レジ係りが売り上げ等をごまかす可能性は低くなる。そんな背景もあって商品にバーコードを付けるということが、1970年代半ばの米国では広まっていった。

<続く>