増税/凍結/中止/用途変更等々、今回の選挙の争点のひとつだった消費税。消費者が何か(製品もサービスも)を買った時点で、支払うのが消費税。小規模事業者が免税され、結果としては税金のはずのもので利益を得てしまうという益税問題や、所得の低い人ほど相対的に税負担が重くなりかねない逆進性問題が指摘されている。
消費税に関連して、今回の選挙では大きな議論はならなかったかと思うのだが、軽減税率というテーマがある。特にヨーロッパではずいぶん前から導入されている。例えば今回僕たちが訪れたドイツ、ヘッセン州フランクフルトでは普通の商品は19%、食料品など生活必需品は7%である。
しばらくこの街で遊んでいて、何度かスーパーマーケットなどに通い、集まってきたレシートをあらためて見てみると、AとBのカテゴリがある。いずれも売り場では税込みの価格が表示されていてわからないが、正価はこれこれで税込みでいくらというデータはレジを含めて共有されている。
カテゴリAは通常商品で税率19%、カテゴリBは生活必需品で税率7%であることがわかった。ただこの区分、境目はあいまいになりがちだ。イギリスで昔聞いた話だが、パンを5個買うと生活必需品だが6個以上だとそうではないということもあるらしい。パンとハムを別々に買えば生活必需品、サンドイッチにすると高い税率がかかるというから、キッチンを十分使えない低所得者にはむしろ厳しいという意見もある。
フランクフルト滞在のレシートを眺めていると、ワインやビール、スピリッツ等お酒のたぐいは(当たり前だが)A区分。アボカド、トマト、パン、ゴルゴンゾーラなどのチーズ、ハム・ソーセージはB区分。ぜいたく品かと思いきや、牛フィレステーキ肉はB区分だった。軽減税率導入当初は相当の混乱があったようだが、事業者も消費者も慣れてきたのと煩雑な事務手続きがIT導入で合理化できたのでしょう。さて、日本ではどうなりますかね。
<初出:2017.11>