Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

潜入!B20の舞台

 今年のG20の議長国は日本である。日本がこの役割をするのは初めて。G7と違って、20か国も参加しているから簡単には議長が廻ってこない。6月には、各国首脳が大阪に集まるサミットがある。僕の専門分野のデジタル政策については、つくばで大臣会合がある。これらは政府関係者の会合だが、その民間版でB20というものがある。

 
 各国の産業界の集まりで、ここで議論&採択されたことがG20の場に提出される。特にデジタル政策分野については、他の件よりも民間の意見が重視される傾向にある。このB20会合は、もちろんG20大阪サミットより前に行わないといけない。
 
 B20で採択される文書は昨年のブエノスアイレスでもひともめもふたもめもあった。米国が「国家的企業が市場をゆがめている」と主張、名指しされた格好の中国が席を蹴ったという。今の米中摩擦・経済紛争の前哨戦みたいな会だったろう。「B20東京サミット」は、今年は3月14~15の二日間、経団連会館で行われた。とりまとめ役は経団連の国際関係部門が務めた。なんとか文書の形になったようで、どんな激論が交わされたか興味深い。

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 ともあれ文書がまとまれば、あとはセレモニーに近い(文書の)発表会のようなものだ。パネル形式をとる発表会はもちろん、ランチやパーティも経団連会館で行われる。NINJAは、偶然だがこれに潜入することができた。画像は初日のレセプションパーティでのスナップ。経産省の世耕大臣が挨拶に立っている。
 
 経団連2階のホールに一杯の人が立ち並び、グラスを片手に挨拶を聞いている。何しろ20カ国の代表たちである、いろいろな人種がいるしいろいろな言葉が聞こえる。このところ仲が悪くなって「韓日経済協議会」の会合が事実上中止になってしまった韓国経済界の代表すらいる。和服姿の女性たちが入り口で紙ナプキンを手渡し、飲み物を勧めてくれる。周辺のテーブルには数々の料理やお酒が並び、英語の看板が掛かっている。中央には料理人のいるカウンターもあり、演台上にはコモカブリもある。菊正宗だった。
 
 会長の挨拶に続いて、麻生副総理兼財務大臣、世耕大臣ら3人の政治家が英語で祝辞を述べ、コモカブリを偉い人たちが「鏡開き」をして、その後はワイガヤのパーティになった。政治の舞台では各国いがみあっていても、地球経済はひとつだから産業界は協調できることもある。国際交流、重要ですし英語の苦手な僕もできるだけ関わりたいですね。
 
<初出:2019.3>