Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

東海(トンヘ)での仮想敵

 通常国会冒頭、安倍総理の施政方針演説には「韓国」という言葉はなかった。言うべきこと、言いたいことは多々あったろうが、何も言いたくない気分の方が勝ったのかもしれない。あるいは、究極の「放置プレイ」に戦術を転換したとの見方もある。

 
 日本では毎日のように日韓関係を悪化させるようなニュースが出てくるのだが、最近韓国に渡航した人に聞くとその種の報道は目にしなかったとのこと。韓国からの訪日客が減った分だけフライトが安くなり、円高ウォン安も手伝って日本からの訪韓客が増えてもいるようだ。もちろん、市民レベルでの日本人観光客排斥の動きは見られない。
 
 
 ただ相変わらず韓国政府の怪しげな動きは続いていて、今度は空中給油機導入のニュースが飛び込んできた。空中給油機は日本はもちろん導入済みで、F-15F-16の滞空時間を長くするのに活用されている。尖閣諸島はもちろんのこと、小笠原諸島なども哨戒圏に収めなくてはいけない航空自衛隊には必須の装備である。

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 ただ韓国の主敵はもちろん交戦中の北朝鮮、ソウルが38度線北の砲兵陣地からの射程距離内にあるように、両国の距離は近い。空中給油機によって航続距離を延ばさなくてはいけない戦術的ニーズはなかったと言っていい。上記の記事でも導入の目的を竹島(独島)を含む日本海(東海)での作戦行動強化だと伝えている。
 
 これは右寄りの産経新聞だから言っているわけではなく、数か月前の中央日報なども同様の主張をしていることから、やはり仮想敵は日本だと思わせるに十分な事態だ。先ごろの射撃レーダー照射でも、その時韓国の艦船は何をしていたのか憶測が流れている。先ごろ国連安保理が指摘したように、石油の「瀬取り」関連のミッションをしていた可能性もある。まずいところを見られたから追っ払おうとしたのなら、通常あり得ない射撃レーダー照射の理由もわかる。
 
 そろそろ日韓首脳による「手打ち」をしてほしいのですが、韓国大統領と日本国総理が代替わりするまでは難しいかもしれません。それまでに偶発事故/事件が起きませんように。
 
<初出:2019.2>