Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

不思議な「限韓令」

 内憂の頂点にあるような韓国だが、外患の方もたび重なっている。今度は「限韓令」が降ってきた。中国が、メディアから韓国芸能人の締め出しを図ったのがこの指令。内容としては、

・韓国の団体の中国内の演出禁止
・新規韓国芸能企画会社に対する投資禁止
・1万人以上を動員する韓国アイドルの公演禁止
・韓国ドラマ・芸能協力プロジェクトの締結禁止
・韓国芸能人が出演するドラマの中国内での放送禁止


 などが並んでいる。一説によると、韓国に高高度ミサイル防衛システム(THAAD)が配備されたことに対する報復だという。攻撃じゃなくて防衛システムなのに何を怒っているかというと、ミサイルの検知に必要な高性能のレーダーが付いているので中国の領空まで見透かされてしまうことを脅威と見ているらしい。

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 まあそれはわからなくもないが、韓流スターを締め出しという経済制裁の手段については疑問が尽きない。韓国経済にとっては確かに打撃だろう。しかし中国経済にとっても、決してプラスにはなるまい。消費者に選択肢が増えるということは、より良いコンテンツが生き残ることになりコンテンツ産業全体が栄える。もちろん競争に敗れる一部(多くかもしれないが)のコンテンツ・スターがいることも事実だが、新陳代謝が増して業界全体ではプラスなはず。

 すでに韓流スターを使った広告放送は激減していて、連続ドラマでも出番が減っているそうだ。いずれはTVから消えてしまうだろう。供給側は政府の指示なので仕方ないとして、需要側はどうだろう。一部熱狂的なファンは「禁じられれば禁じられるほど、想いはつのり」などということにならないだろうか。ご禁制品の値段がハネ上がり、闇市場が形成されてしまうことは当局の想定に入っているかどうか。


 どの世界でも「上に政策あれば、下に対策あり」という。中国のコンテンツ市場、どうなるか注目したい。
 
<初出:2016.11>