鉄鋼とアルミに新たに関税を課し貿易戦争を仕掛けたつもりのトランプ大統領、ある意味絶好調なのかもしれない。中国や欧州は報復措置を考えているというし、世界は貿易戦争から本当の戦争の時代にもどってしまうのではないかと危惧している。「戦争になれば簡単に勝てる」米国だから問題ないと、トランプ先生はいう。
また「銃の乱射事件が起きるのは、映画やゲームでそういう暴力シーンが多いからだ」と、銃規制には触れずゲーム規制を示唆するなど僕らの感覚では理解できない暴言を吐いている。金属産業や銃器関連産業には温情をかけながら、コンテンツ産業やインターネットサービスには冷たいトランプ先生のスタンスを示した言動である。そんなトランプ先生の資産であるが、この１年で４億ドルも目減りしたとの報道があった。
主な原因は保有不動産の価値下落。ネット販売などに市場を奪われて、ニューヨーク５番街などの高級商業圏の地価が下がっているというのだ。目抜き通りに多くの不動産を抱えているトランプ先生としては、製造業ではなく流通などを保護する政策を考えるべきなのではなかろうか。
有名なキッズ商品の「トイザラス」が、北米の事業を清算しようとしているが買い手がつかないともいう。あれだけ（世界中に）大規模に展開している「トイザラス」にしてから、ビジネスがうまくいかないのだ。これも北米ではアマゾンなどの通販がずいぶんシェアを喰ったのが原因と言われる。
そうなると、間接・直接を問わずネットビジネスはトランプ先生の「天敵」にあたるのかもしれません。彼の次の政策は「インターネット規制」、なんてことにならないようにお願いしたいですね。
＜初出：2018.3＞
