Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ダイバーシティの総本山

 ベルギーの王宮からBelliatd通りを東へ500~600m。ここに、欧州委員会に属する建物のひとつがある。真ん中がガラス張りの天井で、中央ロビーには陽が降り注ぐ構造になっている。もっとも冬には陽が低い上に晴天は少ないので、その恩恵を受けられる可能性は低くなるが。

 
 会議をした部屋からも、中央ロビーを見下ろすことができる。大汗をかいた午前中の会議が終わり、ランチタイムになった。ランチは中央ロビーで、と案内された。立食パーティだが、そこそこ本格的。ウェイターが飲み物を持って迎えてくれる。昼間なので、トマトジュースを採る。サンドイッチも2つほどとったが、アメリカほど馬鹿でかくなはい。モッツアレラチーズが入ったサラダも食べた。
 
 伝統的なブリュッセルの市電のオブジェがあるが、ただのパネル。欧州委員会の旗は、風がないから垂れ下がったまま。四面の壁ぞいにガラス窓があるが、多くの人の顔写真が貼ってある。人種・性別・年齢もまちまち。27ヵ国にもっと多くの人種がいるのがEU。ダイバーシティは最大のテーマである。それを象徴しているのが、このロビーというわけ。   

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 10年ほど前初めてこの街を訪れた時、タクシーの運転手に「住みやすいか」と聞いた人がいる。答えは「住みやすい」だった。タクシーの運転手は移民の代表的な職種である。彼らに聞くと、移民に優しい町かどうかわかるという。
 
 一方で移民たちによるスリとか置き引きのような犯罪も多いというのが、当時の印象だった。今はご存知のようにテロ対策で厳戒態勢。街のあちこちにFN-FALをもった軍人が立っている。ダイバーシティの総本山がその理想を追求し続けられるかどうか、雲行きが怪しくなっている。
 
<初出:2016.12>