Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

アマゾンの誘致合戦

 いわゆる「GAFA」の一角アマゾンの本社はシアトルにある。スタートアップ時代は典型的な西海岸型企業であり、今も本社はその時代からの位置にある。そのアマゾンが、北アメリカに第二本社を置く場所を探しているという話は以前からあった。カナダも含めて200あまりの街からのオファーがあって、今回それを20に絞り込んで公表したという。

https://japan.cnet.com/article/35113388/?google_editors_picks=true

 いろいろな自治体が、税優遇などを提示して誘致しようとしている。ネット企業でも相応に雇用はあるし、物流の現場も持っている企業だから雇用者からの税収も期待できるからだろう。なんといっても若くて相応の収入のある家族が住んでくれれば、それが最大の地域活性化であることは洋の東西を問わず真実である。それに旧来型の産業と違って、グローバルにどこまで伸びてゆくかわからない期待値のある企業である。どう転んでも誘致して悪い目が出るはずがない。

    f:id:nicky-akira:20190601195229p:plain


 アマゾンにも知り合いがいて、何年か前に小田原に巨大なセンターを作った話を聞いた。見学できるかと聞いたら、「重要お取引先だけ」とのつれない答え。東海道線の酒匂川を渡る鉄橋から眺めるだけの「見学」で我慢している。いやそれだけでも価値があるくらい、巨大なセンターである。


 中身は物流倉庫だろうから、海外からのものは横浜港などに上がるものも多いだろう。ならばなぜ横浜市でなく湘南方面に少し離れた小田原市につくったのだろうか?誘致合戦で小田原が勝ったのかもしれないが、横浜市の関係者から気になることを聞いた。横浜港埠頭の赤レンガ倉庫街などは観光スポットとしては有名だが、実質的には老朽施設。建て替えてアマゾンの大センターにするという案もあろうが、なんらかの事業者規制があるというウワサである。

 別の筋からも、横浜市管内は倉庫が建てづらいという話も聞いた。これが本当だとすれば、アマゾンは古い規制を嫌って小田原に行ったことになる。圏央道も完成に近づいている今、横浜港活性化の(ラスト)チャンスかもしれないのに、ちょっと残念なお話でした。
 
<初出:2018.2>