Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

大統領報道官のご難

 欧州からの輸入車に関税をかけるなど、中国だけではなく世界中を相手に貿易戦争を仕掛けてしまったトランプ政権、内政としても不法移民の取り扱いにも非難が集中し「国境管理は緩めないが、不法入国容疑者親子を引き離すのだけはやめる」と言わされるなど軋轢は増している。

 
 正直かくも「どーしようもない政権」が存続していることの方がおかしいのだが、国内での支持率は下げ止まって上昇に転じているのだと言う人もいる。これは、米国社会の病巣が極めて根深いものであることを示していると思う。日本も例外ではなく多くの先進国はいろいろな意味の格差に悩み、怒りや憎しみが社会の底流に澱のように溜まっている。それが一番激しく渦巻いているのが米国で、その「澱」が噴出したような印象である。今回、それを象徴したような事件/記事があった。
 
 
 前任者の退任(事実上のFired)により大統領報道官に就いたサラ・サンダース氏が、バージニア州レキシントン(有名な古戦場だろうか)のレストランに入ったところ、追い出されてしまったという記事である。彼女に食事をさせなかったオーナーシェフに対して、賛否両論が続々寄せられているとある。

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 直接的には不法移民容疑者の親子を取り調べるにあたりバラバラに収監することに対して、サンダース報道官が賛意を示したことへの非難からだという。ある意味些細なことではあるが、これは米国分断を象徴した事件に僕には見える。
 
 DCの友人から聞く話では、相変わらず政権の要職の多くは空席、任に就いた人も(心ある人から順に)職を去っているとのこと。世界経済は順調に推移してきたのだが、ここにきて「トランプ・リスク」を言う経済人が増えてきた。もとはと言えば、グローバル経済が成長することでできた歪みが産んだのがトランプ政権である。今月もワシントンDCへの出張がありそうです。そのあたり、見たくはないのですが目にすることになるのでしょうか。
 
<初出:2018.6>