Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

上院と参院、定数増の議論

 トランプ政権ができてから、西海岸の住人のフラストレーションは高まり続けているだろう。伝統的に民主党は両海岸に、共和党は中央部に地盤を持つ。特に、クリントン政権や直近のオバマ政権は西海岸のデジタル産業を優遇するとともに、自らの選挙資金源ともしてきた。

 
 しかし旧来型の産業やその従業員に支持されたトランプ先生が大統領に当選して、アメリカ全体の雰囲気はまるきり変わってしまった。トランプ先生はデジタル産業には冷淡・・・というより全く理解を示さない。そこで昨年、カリフォルニア州が独立するという噂が流れた。それが今回、3分割という案が出てきたとこの記事は言う。
 
 
 北はサンフランシスコを中心に、中央はロスアンゼルス、南はサンディエゴなどで、各々1,300万人ほどの人口規模になるらしい。人口が増え続けるカリフォルニア州は、全体としての州の意見がまとまりにくく、行政の目や手が十分に届かないと言われている。独立もそうだが、分割も米国憲法で認められた権利である。そこで2州ふえるとどうなるか?上院議員の定数は各州に2づつあるから、現在の100から104に増えることになる。トランプ先生がみすみす民主党議席数を増やす案を飲むとは思えないが、中長期的にありうべき話と思う。

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 翻って日本、米国の上院にあたる参議院。こちらも定員増の案が出ている。鳥取・島根と徳島・高知で合区となっている参院比例区を定数増によって合区解消、地元の意見をちゃんと国政に伝えるべきとの主張だ。自民党内部では決議されたようだが、野党はもちろん一部自民党議員からもご都合主義だとの批判が出ている。
 
 こちらも憲法違反との判決を受けて区割りを変えたものだった。米国では大小にかかわらず州の上院代表は2人と決まっていて、これもひとつの考え方。日本では「一票の格差」をなくすことを求められているのだが、これもひとつの考え方。後者をとるのなら、県などという単位にこだわらず日本全体での比例区と個別選挙区に分ける案もあるのではないでしょうか。
 
<初出:2018.7>