南北首脳会談が予想以上にアットホームな雰囲気を醸し出して終わり、メディアを含む世界の注目は、1ヵ月ほど後になると言う米朝首脳会談に移った。金委員長の豹変ぶりも凄いのだが、「ちびのロケットマン」と揶揄していたトランプ大統領の方も一転賞賛の言葉を発している。
直接の当事者ではないが、フィリピンのドゥテルテ大統領も「不良少年が英雄になった」と言っている。もちろん核兵器を含む戦闘が起きて多くの人命が失われるのよりは、緊張緩和の方がいいに決まっている。ただ何度も核に関する合意をしながら履行していない過去があるので、まだ安心はできないだけだ。
ところが気の早い人たちはいるもので、あるブックメーカー(賭け屋)によると今年のノーベル平和賞候補No.1は金委員長と文大統領なのだという。あれだけ緊張を高めた金委員長に多大の賞金を与えるのは、趣旨としてもいかがなものかと思うし、資金が水爆製造に回ったらどうするとの危惧もある。
もちろん過去にPLOのアラファト議長(イスラエルから見ればテロリストの頭目)が受賞したこともあるし、最終的に紛争を回避したということを持って受賞理由とできないわけではないようだ。・・・と思っていたらもう一人の候補者が現れた。
支持者がトランプ先生に、「ノーベル!ノーベル!」とエールを送っているという記事である。トランプ先生もまんざらでもなさそう。「オバマにできなかったこと(朝鮮戦争の終結)をやる」との決意のウラには、「オバマがもらったもの(2009年のノーベル平和賞)は、俺ももらう」というのもあるのかもしれません。
<初出:2018.5>