北朝鮮が核兵器の廃棄を言い出して、ならば米朝首脳会談をやろうということになり、世界は緊張緩和に向かうかと思われた。さらに北朝鮮は強制されたわけでもないのに、核実験場の閉鎖を行うと一方的に宣言。外国メディアを呼んでその模様を公開すると言った。
当初呼ばれなかった韓国メディアも無事現地入りし、表向きは平和裏に核実験場が再利用不可能な形で廃棄されるということになった。廃棄は各国メディアの目の前ですべての出入り口を爆破する派手なパフォーマンスで実施された。
この施設は多分御用済みのもので、いずれは閉鎖／廃棄するものだっと思われる。それをおおげさに、各国メディアから参加料も徴収して爆破してみせたわけだ。僕はこれは単なるパフォーマンスではなく、意図的な隠蔽だったと思う。現地に核関連の専門家は立ち入ることが出来ず、本来保存しておいて各国専門家の検証作業に供するべき証拠を消されてしまったのだから。
たとえ御用済み施設であらかたの設備は持ち出していたとしても、専門家が調査すれば核開発がどのように行われたか、どういう技術が導入されたか、つまりどの国が開発に深く関与したかなどがわかるかもしれなかった。今後行われる保有しているとされる核兵器の質や量も推定できたかもしれない。正々堂々隠蔽されてしまったことになるだろう。
僕自身は本当にミサイルに搭載できる小型化した核兵器を開発できたかどうか、今でも疑問に思っている。それも含めて追及する道のひとつが絶たれてしまったのは、今後の半島問題解決に大きな障害を増やしたことになりましたね。
＜初出：2018.6＞
