Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

偽りの微笑み外交

 平昌オリンピックのはずが、平壌オリンピックになってしまった今大会。日本選手の活躍には敬意を表するものの、国際的にも珍しいホットスポットでの開催だけに気は抜けない。(文大統領だけは抜けているかもしれないが・・・)

 
 国としての参加が許されなかったロシアが組織的なサイバー攻撃をしているとの情報もあるし、米国の「鼻血作戦」というかの国への限定攻撃の可能性も高まっている。そういえばロシアのクリミア侵攻は、ソチオリンピック終了直後に起きていたなと思い出した。

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 予想通り「統一半島旗」を掲げた女子アイスホッケー南北統一チームの戦績は、その熱い応援とは裏腹に芳しくなかった。文大統領、北の特使、IOCのバッハ会長までが応援しての惨敗。いわゆる「美女応援団」の声援も空回りに終わった。
 
 韓国一国の訓練されたチームの方が、戦力的には高かったように思う。まあ、そのおかげで日本チームはオリンピック初勝利を挙げられたのではあるが。そのアイスホッケーの試合にとんだ闖入者があった。金正恩のそっくりさん、中国系のミュージシャンであるハワードさんが会場入りしようとして「摘まみだされた」事件である。
 
 
 彼はこの記事で「笑いのセンスが全くない」と現地の対応/反応に残念がっているが、本音だとするといささか軽率な行為と認識だと思う。正直、殺されても仕方ないようなことを彼はしたのだ。
 
 かなり以前に、やはりかの国の「美女軍団」が来韓したとき現地で歓迎の横断幕を道路に掲げた。南北の首脳(北は金正日将軍)の写真を載せて宥和ムードを表そうとしたのだが「美女軍団」は血相変えてクルマから降り、横断幕を引きずり下ろして涙した。「可哀そうに将軍様がはりつけにされている」とでも思ったようだ。
 
 「笑いのセンス」どころではない、個人絶対崇拝がしみ込んだ国の姿がそこにあった。微笑みに笑いで返そうとしたハワードさんだが、そんな考えの相手でないことは確かだ。今後は自重されますように。
 
<初出:2018.2>