Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

人工知能の政治利用

 与野党の審議/質問時間配分を巡って、昨年の臨時国会からもめている。これまで野党に多くの時間(80%)を割くという方針に、より多くの議席を持つようになった与党から不満が出て、議席配分にしてはどうかというもの。一方の野党は、そもそもこの配分は自民党が野党時代に要求したものだと身勝手さを主張したり、もり・かけ・スパ等「アベ友問題」を追及されたくないためだろうとなじってみたりしている。


 国会審議/質問については、民間企業感覚だと納得できないものも多い。まず審議時間が大きな目安になっていること。問題の大きさや審議の内容を軽視して、何時間やったからそろそろ採決という話は良く聞く。


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 一方で「徹底抗戦」を主張する何でも反対政党は、だらだらと審議の引き延ばしを図って審議未了・廃案を狙う戦術を駆使することもある。議題の重要性や審議内容は(素人には)客観的判断が難しいからと言って、アメフトやバスケットのゲームじゃないのだから時間の駆け引きをするのは見苦しい。あと質問者が十分勉強していないせいかつまらない質問を繰り返したり、質問の提示が遅れて担当官僚が徹夜せざるを得ないという「働き方改革」無視の事態もよく起きる。そんなことを考えていたら、小泉進次郎議員が面白いことを言った記事を見つけた。

http://www.sankei.com/politics/news/180122/plt1801220048-n1.html

 じつはこの話、以前からウワサはされていた。IT政策通の国会議員や秘書、官僚と雑談していて「野党の質問の答えをAIで書けないか」という質問があり、技術者が「可能です」と応えたこともある。確かにNHKの「日曜討論」など見ていても、音声を消しても何をお話になっているか顔色でわかるセンセイもおられる。僕でもそのくらいの学習ができるのだから、Deep Learningならすぐ質問を理解し、回答できるだろう。

 株式の自動取引ではないが、国会質疑が質問も回答もAIでできるのなら、テーマ/法案を入力して議事録と採決結果まで瞬時に出来上がってしまうだろう。国会議員も削減できるでしょうから、「身を切る改革」になりませんかね?
 
<初出:2018.1>