Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

体育会系大学生の評価

 僕が大学生だった時代には、同じ専門の専攻でも体育会系の学生には企業のアプローチが多かったように思う。僕自身は大学院のころまでカメラ関係のクラブに出入りしていた「軟派」だったので、そのような恩恵にはあずからなかった。中には歴代、この大学のこのクラブから採ることを決めていた企業もあるということだった。

 
 僕ら「軟派」な連中に比べ体力はもちろんのこと組織における順応性や、日本企業(の総務)が大好きな上司の指示に対して妙な反抗をしない姿勢が好まれたはずだ。何事につけても一言いいたい傾向のある僕などよりは、企業側も安心して彼らを採用したはずである、しかし、その傾向は過去のものになりつつあるようだ。
 
 
 体力はもちろんなのだが、メンタルが異常に弱いとこの記事は言う。心身共に鍛えるのが体育会系のテーゼだったのではないかと、違和感をもった。しかし現実にはちょっと顧客先に文句を言われただけで出勤できなくなるようなケースが各社であいついているらしい。

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 これは日大アメフトの事件だけでなく、いろいろなスポーツ界で起きている不祥事と無縁ではないだろう。分化の進んだスポーツ界は意外と狭い世界だ。小さなピラミッドの中で最適の生き方、育ち方をするようになっているのだろう。外界との接触も少ない。平たく言えば、純粋培養なのだ。それが実社会に出るといつも初めての事態に遭遇する可能性があるし、誰も最適解を教えてくれないこともある。そのギャップに耐えられないのかもしれない。
 
 昔はスポーツによって多様な経験を積め、それが社会に出てから役に立ったはずなのだが、現在の体育会系は分化/特化しすぎて多様な経験とはいかないのかもしれない。それとも実社会の方がより複雑になったのだろうか。多分両方でしょうね。
 
<初出:2018.9>