Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

メディアの「アベ友狩り」

 「もり・かけ・スパ」というのだそうだ。森友学園問題、加計学園問題、スーパーコン(企業)詐欺疑惑の3つを指している。いずれも、現政権、安倍総理に近い人物が関与し、利得を得たという疑惑である。それが真実かどうかは、あてにならない国会審議ではなく官憲の捜査を待ちたいと思う。ところが、それが拡大して今回のリニア新幹線工事に関わる不正入札問題まで取り上げた記事があった。

https://news.nifty.com/article/domestic/gendai/12136-431119/

 疑惑の対象であるゼネコンと総理が近いのかと思ったら、本来は被害者であろうJR東海の葛西名誉会長が総理に近いからだという。ここまで来るとこじつけのように思うのだが、「総理に近づいて、うまい汁吸ってるやつを許すな」という国民の声なき声を「忖度」しての記事であろう。こうなると財界の有力者も下手に政権に近づけなくなるのではないか。

 アベノミクス3本の矢に全面的に賛成するわけではないが、現政権の民間・産業界の意見を聞いて景気浮揚という基本方針に異論はない。産業振興は産業界自身がやることであり、政権にはまずこれを邪魔しない(不要な規制の撤廃など)こと、中長期的に見て必要な手を打つ(人材育成など)こと、直近で特に困っている企業や消費者を救うことを望みたい。

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 そうは言っても、多くの経営者とそのスタッフは目先のことで手一杯。一部の経営者が政府に物申す場合も社会全体・経済全体を考えるよりは、我田引水的な要望をしがちである。これをロビー活動というが、本当のロビー活動とは直接的に自社の利益を追うのではなく、社会全体のことを考えて政策提言をすることである。まあこれは理想でも、提言によって社会の何かが変わり、その結果「風吹けば桶屋が儲かる」式に自社にも恩恵が来る程度の工夫はしなくてはいけない。

 そういうロビー活動は、米国などに比べて日本は低調です。今回取り上げたような偏向報道が、あるべき官民の関係育成に陰をささないことを祈ります。
 
<初出:2017.12>